起業家=マネージャー 〜人の”やる気”を左右する「人間の行動原理」とは?〜 |
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投稿日: 2013/09/02 | カテゴリー: マネジメント |
起業家・経営者の共通の悩み=”人の悩み”
たとえ起業したときは1人でも、
そう遠くないうちに「人との関わり」をつくることになります。
起業家は、仲間・部下・協力者、…
様々な人と関わり合いながら、事業をすすめていくことになります。
「自分の部下や仲間など、マネジメントしている相手が
自分の思った通りに動いてくれない」
ほとんどの方に、覚えがあることではないでしょうか。
そんなとき、ついつい相手のせいにしてしまいがちですが、
それではいっこうに成果は上がりません。
「全て自分の責任」ぐらいに考えた方が、
問題も解決に向かいますし、何より楽です。
人間の行動を左右する「行動原理」
マネジメントをする際に、知っておかなくてはならない
「人間の行動原理」があります。
それは、
「人はうまくいっていることを繰り返す」
ということ。
逆を言えば「うまくいかないこと」は
繰り返しません。
つまり相手が「自分の意図とは違う動き」をするときは、
相手はその行動によって
「何らかのメリット」を得ているのです。
だから、いつまでも
「その行動」を繰り返します。
”欲求”と”メリット”が一致しない場合
例えば、部下にもっと「働いて欲しい!」と思った場合を
考えてみましょう。
上司(起業家)は部下(仲間)に「もっと働くんだ!」と言います。
仮にそれで、給料が一定の場合、
「金銭がモチベーション」の部下にとっては
「もっと働く」メリットはありません。
いくら働いても、給料は一定。
むしろ、仕事を獲得すればするほど、
自分が忙しくなるだけ。
この場合、
【行動】仕事を取る→【結果】忙しくなる ↓
という図式が成り立ち、
モチベーションは決して上がりません。
さらに、上司が口うるさく言えば言うほど、
モチベーションは下がっていきます。
叱咤激励によって、
一時的には仕事を頑張ろうとするかもしれませんが、
そのような「外発的動機」に基づく
モチベーションは長くは続きません。
- ・上司が居ないところでは頑張らない
- ・上司を避けるようになる
- ・成果が上がらない
など、反発が起こって来ます。
この場合は、頑張りが「金銭」に結びつく仕組みを考えるか、
他のメリットで動機づけするという施策が考えられます。
金銭に結びつけるならば、
「歩合制」や「成果報酬制」を
取り入れることも1つの案でしょう。
メリットは”何でも良い?”
他のメリットで動機づけする場合は、
”相手がメリットだと思うもの”を
メリットとして据える必要があります。
業務をゲーム化し、
「達成」と「向上」を楽しめるようにするのが
効果的かと思います。
この考え方でマネジメントを実践し、
実際に業務が改善した事例をご紹介します。
女性社員2人の仕事は「書類の処理」。
「時間給」で働いています。
この女性社員2人はとても仲が良く、
いつもおしゃべりばかり。
仕事の効率がとても悪い状態でした。
ある日、上司がこう提案します。
「2人で処理した合計の書類の数が
目標数を達成したら、
月初にイタリアンのランチでお祝いしよう!
もちろん、僕のおごりだよ。」
目標値は「達成できるかどうかのギリギリ」で設定。
そして達成するごとに、その基準を上げていきます。
結果として、書類の処理数は
当初の2倍にまで伸び、社員のモチベーションも上がったといいます。
この例の場合、社員2人の仕事に対する意味付けが変化しました。
【行動】書類をたくさん処理する
→【結果】イタリアンのランチ・達成感・感謝・成長
人はそれぞれ、モチベーションの源泉が違います。
うまく動いてくれない人は、
「行動」と「メリット」が合っていないことが考えられます。
それぞれの人の、それぞれの特性を知り、
適切なメリットを設定しましょう。
「人の問題」は多くの起業家・経営者など、
人の上に立つ者に常につきつけられる悩み事です。
どうやってメリットを提示すれば
相手はやりがいを持って仕事をしてくれるだろうか?
そんなことを考えながら、
日々、マネジメントしていきましょう。
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黄塚 森(Shin Kozuka)について
「起業の学校」アントレプレナーアカデミー全体統括。社内外を問わずwebを中心としたマーケティングに携わる。読者1万5,000人のメルマガを執筆する他、記事作成などコンテンツ製作を得意とする。経営者向けセミナーの企画・運営も行っている。