1日たったの70円!傘を買うよりも圧倒的に安く、お財布にも地球にもエコな傘シェアリングサービス「アイカサ」
株式会社 Nature Innovation Group 代表取締役 丸川 照司
最初の起業で興味を持ったきっかけが、「自分のように、家庭含む社会の環境で悩む経験そのものをなくしたい」という気持ちが強かったので、おそらく“社会の変なところ”を変えたいという欲求が強いんだと思います。改善したほうがいいポイントや理想と現実のギャップが、社会にはたくさんありますよね。
例えば営業のお仕事をしているときに、行き過ぎた資本主義に違和感を覚えたことがあります。お金さえ稼げればいいという考えは苦手で、お金より大切なことは本当にたくさんあるので。
一方で、海外の観光地で1ドルのミサンガを売っている子どもたちを見て、モバイルバッテリーを売ったほうが何倍も利益が多く、買いたい人が多いんじゃないかと思ったこともありました。児童労働をいきなり0にすることは難しいけど、今の現状を改善することは色んな手法があるように感じました。
こんな風に社会の変なところやギャップは色々あるので、ビジネスとして成功するだけでなくより多くの人が幸せになる世界を作っていきたいと思っています。
世の中の課題に関して問題意識を持ちそれに取り組んでいる人のことを社会起業家と呼ぶのかと思います。
ただ、今の社会では営利・非営利とすごくキッパリ分かれている部分はありますが大前提どの事業も人の役に立っており、社会に貢献をしています。
またその事業が社会性が強いかどうか、そして社会インパクトの大きさによって社会貢献度が変わってくるかと思います。
私も人に貢献できる深さと量どちらも意識して頑張っていきたいと思います。
その当時はビジネスなどは意識していませんでしたが、振り返ってみると日本でタイムズのカーシェアを使ったことが原点かもしれません。家の近くにあって単純にすごく便利だったんですよ。まだ“シェアリングエコノミー”なんて言葉も浸透していない時期でしたが、「クルマ、ぜんぜん買わなくていいじゃん!」って感動に近い気持ちがあったのを覚えています。
そこから、2017年以降アジア各国でシェアリングサービスがどんどん生まれている事例を見て、そういえば台北にもシェアチャリがあったよな、マレーシアでは当たり前のようにUber(ウーバー)を使ってたなって思い出していって。インドネシアでは、バイクタクシーを呼ぶGOJEK(ゴジェック)が急速に成長していたり。自分自身が海外に出ていたので世界の新しい動きを肌で感じていました。
中国でも傘のシェアリングが10社以上立ち上がっていたので、それを見て日本でもやればいいのにな、と思いました。ちょうどその頃、日本ではメルカリのシェアリング自転車が話題になっていたので、「傘のシェアリング、やる人いないのかな」ってFacebookに投稿したんです。
その頃は自分でも輸出入のビジネスをしていたりしたので、よく考えると自分でやるチャンスかもしれないということで足を踏み出してみました。
傘は欲しいときに手元にないのに、家にはどんどん貯まっていく。600円払って、買ったあとはゴミになる。非合理的なポイントが大きいのに、この現状がずっと続くのはよくないと感じました。傘のシェアで大きく景色まで変わるかもしれない。誰もやらないならやろうと決意して臨みました。