世界中の人すべてにフレンドリーなブランドでありたい
株式会社TENGA / 松本光一
松本 光一 まつもと こういち(1967年生)
静岡県出身。自動車整備の専門学校を卒業後、スーパーカーやクラシックカーの整備に携わる。
その後、中古車販売会社に勤めるも、モノづくりへの思いが日々強まり、34歳でものづくりに専念する為に脱サラ。それまでに貯めた軍資金1000万円を元手に、自主制作を始める。
さまざまなアイデアの中から「これで、革命を起こすんだ」と選んだテーマはアダルトグッズ。
独立し試作を開始してから3年。
試行錯誤の末、軍資金も底をつき始めた2005年3月 有限会社TENGAを立ち上げる。
同年7月7日、モノづくりの魂を込めた「TENGA スタンダードカップ」5種類を同時発売。
発売から1年で、シリーズ累計出荷数は100万本を突破する大ヒットとなる。
2012年「TENGA 3D」が世界最大級のデザイン賞である「レッドドット・デザイン賞」を受賞。
2013年3月3日には女性向けセルフプレジャー・アイテム「iroha」を発売。
同年10月10日にはTENGA初となるカップル向けバイブレーター「VI-BO」を発売。
現在TENGA製品は40カ国以上で販売し、現在累計販売数は3000万個に達する。
男性用マスターベーションアイテム(TENGA)、女性用プレジャーアイテム(iroha)、それにカップル用アイテム(VI-BO)を販売しています。 それから、今はまだ販売に至っていませんが、ゆくゆくは医療分野でも商品展開をしたいと考えています。 現時点では、通常のTENGA CUPが膣内射精障害の治療に使われていたり、前立腺全摘後のリハビリテーションにTENGA EGGが薬と併用して活用されていたりといった例があります。 単純なマスターベーションで射精される精子と、セックスで射精される精子ではセックスで射精される精子の方が質が良いとのデータも学会で発表されています。ですから将来的には、精子採取用TENGAを用いて、不妊治療の現場において質の良い精子を採取することにも挑戦しようと思っています。 それに、シニア向けにも展開していきたいですね。 老人ホームでも男女問題によるトラブルが多いと聞きます。結局いくつになっても人は恋愛をするのですし、性的な興奮というのは、アンチエイジング効果もあるので僕はそれは良いことだと捉えています。
ありがとうございます。嬉しいですね(笑)人に喜んでもらえること、人の役に立つことがTENGAの根幹にあります。だから男性も女性も高齢の方も、ゲイやレズビアンの方も世界中の人全てにフレンドリーなブランドでありたいと思っています。
地域によっても差がありますが、20代半ばから30代後半の男性が購入されることが多いですね。認知度でいうと20代が1番高いです。でも僕は、どの年代の人にも買っていただけるような商品を作っていきたいと思っています。意外と、高齢の方からのお問い合わせも多いんですよ。 僕が電話を直接受けた方で最高年齢は79歳の方でした。またTENGAが夫婦間の関係の向上に役立っていますといった内容のお電話を頂いたこともあります。それはとても嬉しいことですよね。
うれしいですね。自社で行った認知度調査では、20代の男性で7割弱、女性で4割以上の方がTENGAを知っていると答えています。意外ですか?「TENGAの事を知らない人はいない」と言ってもらえることはよくあるんです。でも自分の周りや、自分に関わって下さる方たちは当然TENGAのことを知っている方が多いので、僕自身の感覚はあてにしないようにしています。学生さんに聞いてみると、みなさん結構認知してくれているんですけどね。残りのTENGAをまだ知らない方たちにもアピールはしていくつもりです。ですが、どんなやり方でも良い訳ではないと思います。今までのコミュニケーション方法を進めつつ、さらにより良い方法を模索しています。