MOTAが仕掛ける中古車業界のフェア・トレード革命
株式会社MOTA / 代表取締役社長 佐藤大輔
2005年、株式会社アール・ジャパンを設立し、2年後にM&Aによるイグジットを経験。その後、2011年に株式会社リクルートへ入社し、ビジネス経験を積む。2014年には株式会社トラバースを設立、代表取締役に就任。2018年、経営難だった株式会社MOTAに参画し、代表取締役に就任。中古車業界の情報の非対称性に着目し、入札システムを導入することで「フェア・トレード」を実現。現在も自動車業界に革命を起こし続ける挑戦を続けている。
自動車と不動産のDXをメインに事業を展開しています。私たちのミッションは「フェア・トレード」の実現です。自動車事業は6年前からスタートしました。既存の自動車売却比較サービスには、ユーザーにとって不透明な価格設定や、過剰な電話連絡といった問題点があることに気づき、それらを解決するビジネスモデルを構築しました。現在では、この独自のモデルが市場に受け入れられ、業界最大級の規模に成長しています。10月からは、同様の課題を抱える不動産業界にも進出し、事業領域を拡大しています。
はい、中古車を売却しようとしたことがある方なら、きっと経験があると思うんです。複数の買取業者から、ひっきりなしにかかってくる、あの電話の嵐…。そして、結局どの業者が適正な価格を提示してくれているのか分からず、不信感だけが募る。長らく中古車業界にはびこってきた、この状況。これって情報の非対称性から生まれているんです。MOTAが目指すフェア・トレードっていうのは、情報の透明性を高め、ユーザーと企業がより良い関係を築く世界なんです。ユーザーは愛車の本当の価値を知り、企業は企業で効率的に車を仕入れることができる。双方にとって納得できる、気持ちの良い取引を実現すること。これが、MOTAが実現したいフェア・トレードなんです。従来のやり方じゃ、どうしても「不」は取り除けない。だからこそMOTAは、ユーザーと企業の双方が、フェアな関係で取引できる、全く新しい仕組みを創り上げたんです。
これ、実はすごくシンプルなんですけど、画期的なんですよ。MOTAでは、まず、申し込み時に車両情報と個人情報を、切り離して登録してもらうんです。最初は車両情報だけを企業側に公開して、各企業には「この車いくらで買いたいですか?」と入札してもらう。そして、入札価格の高額上位最大3社だけに、初めてユーザーの個人情報を開示する。この仕組みによって、ユーザーは無駄な電話営業を受けることがなくなるんです。やりとりするのは最大3社ですが、相場の比較は最大20社より事前に把握できるんです。中古車業界における長年の課題に革新をもたらし、ユーザーと企業の双方が安心して取引できる仕組みを実現することで、ユーザーは、他の業者との不要なやり取りをせずに済むんです。(特許取得済み)
そこが、実はMOTAのビジネスモデルの肝なんです。一見、ユーザーの選択の自由を奪うようにも見えるかもしれません。でも、多くのユーザーって、情報を集めることはできても、それを比較検討して、最適な選択をすることに難しさを感じるんです。「どの買取店が良いのか比較しきれなかった、結局比較だけして選ぶまでできなかった」というユーザーの声も多くありました。我々は、そこに着目したんです。ユーザーの隠れたニーズ、いわゆるインサイトを捉えて、あえて選択肢を絞ることで、ユーザーが最適な意思決定を行いやすくなるよう配慮した設計にすることで、意思決定の負荷を軽減しようと考えました。実は、ユーザーにとってのメリットも大きいんですよ。それに気づけたのは、多くの顧客の声を聞いてきたからかもしれませんね。