自分らしさを大切に。
色のひと / 七江 亜紀
高校生の頃、友達の服とかをコーディネートすることがすごく好きだったのですが、友達から色を選ぶのがうまいよねっていうことをよく言われていたんです よ。それで、ある時、友達から一言「そういうのやればいいのに」って言われたんです。でも当時は、インターネットとかの情報がなかったので、最初に出会っ たのが1冊の古い色彩学の本でした。図書館などで勉強しているうちに、色に関する情報が入ってくるようになり、その都度キャッチし、徐々に必要な情報を入 手していくようになりました。色の世界って面白いって思って、とにかく夢中でした。大学時代も先ほど述べたように、心理学とか色彩学なども学んでいました ので、卒論でも英語学と心理学を絡めたこと内容のものを書きました。今思えば繋がっていたのかもしれません。ただ当時は、仕事にするとは全く思っていませ んでしたね。
大学卒業後は、普通に一般企業に入社しました。英語を使って営業マンのアシスタント的な仕事をしたいと思っていたのですが、入社してすぐ秘書にまわされて しまったんです。それで、自分が入社する前に思っていたことと違ってきてしまって、今後どうしようか悩みました。ただ、せっかく縁があって入社したのだか ら、学ぶことができることはしっかり学ぼうと思って必死で働きました。当時から色の仕事は副業としてやっていたので、社会人をやりつつ色が人に与える影響 などを学んでいましたしかし、自分がやってきた事を一生懸命やりたいと思っていただけだったので、副業とはいってもお金を取らずにやっていました。
最近、資格を取ったらすぐに仕事にしよう、起業しようって思う人が多いと思うんですが私はあまりしたくはありませんでした。自分の土台がぶれること が嫌だったから。確かに当時色に関する仕事は珍しかったし、第一人者、パイオニアって呼ばれることが多かったのですが、本業にしようとは全く思っていませ んでした。それに、当時はまだ若かったですし、他の人と同じことをやっていては駄目だという思いがあって、まずは自分に自信を持てるような働き方がしたい と思う方が強かったですね。なので、色に限定していたというよりは、まずは自分にブレのない状態をつくり、その上で得意の五感を使った生き方や働き方ので きる大人になっていければと思っていました。
色を副業にはしていたものの、自分が何をしたらよいのかわからなくなってしまったんです。当 時、ブレのない人間になりたいという思いが強かったから、一本に絞ろう一本に絞ろうってずっと思っていたんです。でも片一方では、一本に絞ることは自分ら しくないなという思いがあってすごく悩んでもいました。ふと、自分らしさってなんだろうって思った時に、色々なことがあってこそ自分があるって思ってひと つに絞ることなく自分らしく生きようって思ったんです。それで、ようやく自分の中に落とし込めることができました。ただ、今でも正直の所、模索中ですけど ね(笑)