半年で武器をつくって起業する
サムライト株式会社 代表取締役 / 柴田泰成
起業するつもりでインキュベイトキャンプに参加し、実際に優勝することができて、そのまま起業すると思い込んでいたんですが、過去最高得点で優勝したので、むしろ投資家にならないかと誘われて(笑)学生のころから30歳になったら起業したいと思っていたんですが、ベンチャーキャピタルを作った上で、その中で自分で投資をしたり自分で会社をいくつか作っていけばいいじゃないかって提案がありました。それって日本でなかなかやってる人いないなって思って、自分がいろんな会社を作っていくというシリアルアントレプレナーという分野だったら、日本で一番実績を上げるのは現実的にできるんじゃないかって思ったんです。なので、ベンチャーキャピタルを自分で作ってその投資先の第一号がサムライトだったんです。自分で投資しつつ、自分で社長もするという新しい形の経営をしつつ、また他にも共同創業みたいな形で、自分が取締役という形で入って会社を立ち上げたりもしました。ベンチャーキャピタルの名前であるソラシードは、インターネット空間という意味を込めたソラと、ビジネスの種のシード、そしてドレミファソラシドの音階にかけてます(笑)小さくてもいいので、インターネット空間に対して種をまいていきます。自分が会社を立ち上げたり、いろんな企業に参画したり、自分が積極的に関わっていくということを意識しています。なので、投資家なのに支援先の業務も普通に行います。例えば記事も書きますし、コードも書きます。日本で一番実務に近い投資家でいたいと思っているので、もはや自分のことを「投資家」ではなく、「立ち上げ屋さん」だと思っています。役割も起業家であると同時に投資家でもあって、どちらの自分かということは考えません。ポジションは会社によって違うんですが、意識としてはそんなに差はなく、「世の中に新しい価値を生み出す」というところにコミットしています。
人一倍強い想いを持っている人には、投資をしたり、一緒に会社をやりたいと思いますね。起業は大半が上手くいきません。そこで強い想いがないと、上手くいかなかったからやめようとなってしまうんですが、おかしいぐらいに執着してる人は諦めないんですよね。「このやり方がだめだっただけで、じゃあ別のやり方があるんじゃないか」って食らいついていけるんですよ。そうして何回か打席にたってバットを振ってると当たるんですよね。絶対成功するとは言い切れない世界だけど、ある程度遠回りしたり、失敗をするってことを見据えた上で、一緒に長い時間取り組める姿勢を持っていることが大事ですね。
「自分のやりたいことを我慢せずに自分のやり方で思い通り表現できる」というところが最大の魅力だと思います。起業することで、自分の選択によっていろんな人を巻き込んで、影響を与えることができて、自分の成し遂げたい世界を実現できるし、それを応援してくれる人も出てきます。それはもう他にない魅力だと思います。 起業志向の学生へのメッセージとしては、半年で武器を作って起業することです。僕は20代を修行の期間にあてていましたが、修行の期間は半年にしましょう(笑)何をしたいか決めて、自分や周りの人間だけでできることをまず始めてみる。お金ももらわなくてもいいし、会社である必要もなくて、Webサービスを作るなり、メディアを作るなり、まず世の中に発信して表現してみる。それをやるための準備が半年です。期限を決めないと、だらだらしてできなくなります。例えば、3ヶ月海外に行って、英語の勉強も兼ねて海外で流行っているビジネスを調べてくる。期限があると意識が変わります。学生であろうがなかろうが、世の中に価値を提供できるチャンスは平等に持っていると思うので、まずやってみることが大事だと思います。僕は投資家としての立場もあり、そういう話を聞くことが大好きなので、ビジネスアイデアが有る方はぜひお気軽にご相談下さい。