半年で武器をつくって起業する
サムライト株式会社 代表取締役 / 柴田泰成
スマートフォンの利用者がたくさん増えましたが、ユーザーが受け切れないほどの情報が溢れている中で、広告のあり方が問われています。従来の一方的な広告の方向だと、ユーザーに届きづらいというのが1つ問題としてあります。加えて、Googleの検索のアルゴリズムが変わってきていて、検索上位に上げるSEOの手法が劇的に変わりました。この2つの大きな変化の中で、コンテンツを用いて、ユーザーにも企業にもハッピーな形を作るのがサムライトです。勝ち抜く戦略はあまり考えていなくて、今取り組んでいるオウンドメディアを中心としたコンテンツマーケティング事業をブームで終わらせたくないという想いが強いです。ブームが終わってみんなダメだったじゃ意味がないです。企業同士の戦いではなくて、この仕組み自体を根付かせてマーケティング手段として効果の出る満足できる形に持っていければ自分たちの事業も認められて、会社としても成長していけるのかなと思っています。なので競合との勝負うんぬんよりも市場自体をしっかり築いていくことをやります。そのために、消費者が振り向くような、正しい方向で着実にやっていくということを考えています。
Webメディアはあくまでコミュニケーションの1つだと思っています。なので、極論みんながPVを集めなくていいんじゃないかなって思います。だから、ビジネスモデルが違ったり、メディアを立ち上げる目的が違えば、Webメディアで実現すること、達成するべき指標も自ずと変わってくると思うんですよ。なので、「何のためのメディアで、それによって何を実現すればいいのか」を明確に定めましょう。その上で、必要なのは本当にPVなのかどうかを考える必要があるのかなと思います。1つビジネスモデルを変えれば、少ないPVでもある一定のこの人達に読んでほしいっていう人に対して、もっともっと違うマネタイズの仕方があるだろうし、マネタイズしなくてもいいかもしれない。例えば、オウンドメディアは、Webメディアで儲けるというよりも、本業の事業に伝える手段としてWebメディアを使っていこうという話なので。なので、何でもかんでもPVを目的にしてしまうと「そもそも何のためにメディアを立ち上げたんだろう」と苦しくなってくるんですよね。PVが上がらず、その指標に縛られてしまう。それでは本質的じゃないなって思います。各メディアそれぞれの成長拡大の方向を模索していくべきです。PVを本気で獲りにいくなら、他社で上手くいっている方法を取り入れつつ,いかにオリジナルを出せるかだと思います。特にキュレーションメディアは、情報ソースが同じだと、差別化が難しいんですよね。差別化をはかるために、どのように情報を取得し、加工して届けるかという、「情報の集め方、伝え方、届け方」の3つの問題を考えることが、PVを上げる秘訣だと思います。
巻き込んだ一緒に働く仲間に、成長の機会を提供することです。「この会社で働くことができて良かった」と将来的に思ってもらえるように心がけています。社員の教育というところだけではなく、職場の環境の工夫はもちろんですし、例えばサムライトを出て別の会社で働くことになっても、この武器は誰にも負けないとか、そういうものを1つでも身につけて欲しいなと思っています。この会社がそういう人たちがどんどん集まるようになれば、会社自体も成長していきますし、人も成長していくというサイクルができることが大事だと思っています。リクルートがそういった意味ですごく上手いんですよね。楽天のときは三木谷社長の統率力がすごくて、逆にリクルートはボトムアップ型で、独立志向の社員が多くて、自分のやりたいことを会社を利用してやろうみたいな人たちが多かったんですよね。楽しく、みんな働いていたし、優秀な人が多かった。何か目的があって、そのためにこの会社で働いているメンバーにとって、成長ができ、自分の人生にとってプラスになることが、提供できる価値かなと思います。こういう風に思えるようになったのは、リクルートに転職したおかげですね。