乗り越えて、達成した時が、楽しい
株式会社enish / 公文善之
自分達が立ち上げた事業が、やっとお金になり始めた時期だったんです。これからサービスが大きくなるかもしれないっていう時に、いったん断念する形だったので、残念っていう気持ちが無かったわけではないですね。ビジネスとしては、ヤフーさんの傘下に入った方が大きくなる可能性があったので、結果、良い方向へ進められたと思っています。
先ほどもお話ししたように、ヤフーさんも合併した時は、ベンチャーでした。会社が急成長する中で、多くのことを学べましたね。でも同時に自分達が立ち上げた事業を自分達の力で成長させることを経験しないままで終わってしまったという感もあり、「もう一度起業したいね」という話は常にしていました。自分達でやる時は、会社を辞めなければいけないので、働きながらそのタイミングを考えていました。
タイミングは、2回あると思います。ひとつは20代の若いうちに起業すること。若い時は、自分の生活が安価なので、仮に失敗しても、その後の人生への影響は小さいです。若くてすごく成長できる時に起業すると、失敗するかもしれないけど、大きく成功するチャンスがある。ビジネスは、基本的にリスクとリターンのバランスなので、大きなリスクを取ることは若い時にしかできないんですよ。例えば、学生時代に起業したら、親の仕送りがあるかもしれない。それがあれば、困らないですよね。年を取って起業して失敗したら、家族を路頭に迷わせて、大変なことになります。若い時が最初のタイミングだと思います。 もうひとつは僕がやったように、一定の経験を積んだ後に、起業する。一番脂がのっている、30代中盤頃です。これは、起業の仕方が全然違って、ちゃんと事業の組み立て方も分かっていて、信頼できる人脈ができています。そういう環境にいると、リスクマネジメントもできるし、成功確率を上げるビジネスのやり方を知っていることもあります。ただこれは、失敗できないので、リスクの取り方は小さくなる。だから、リターンも小さくなる可能性が高いんです。 どちらもありだと思います。一番良くないのは、その中間ですね。スキルもないし、人脈もないし、リスク取ろうと思ったら、お年頃になってこれから結婚を控えているみたいな(笑)。学生の間にできるのなら、やりたいと思うなら、実行した方が良いと思いますよ。将来起業したいと思っている人は、将来とは言わずに学生である間に起業するのもひとつの選択肢だと思います。普通のアルバイトでは経験できないことが、経験できるチャンスなのでお勧めします。