世の中の空気感をつかみ、それを具体化する
株式会社ガイアックス 代表執行役社長 / 上田 祐司
世の中の空気感をつかみ、それを具体化する
株式会社ガイアックス 代表執行役社長 / 上田 祐司
ベンチャー・リンクでの経験があったので、僕はないです。一般的には、個人視点から、社会視点に移るということがなかなかできないんですよ。その視点を変えられないと成功しません。個人視点というのは、自分のお金がいくらあるとか、自分はこういう人脈があるとか、強みがあるとか、そういった視点です。社会視点というのは、このビジネスをやるのにいくら必要かとか、どんなスキルがいるのか、そういった個人視点で判断せず、社会のためにやるべきかという視点です。お金や人脈がなければ作ればいいだけなんです。社会視点を持てば、必要だと思えば仲良しだろうが赤の他人だろうが、抵抗感なく普通に電話して、「こういうビジネスやろうとしています。このビジネスは僕のためにやるのではなく、社会のためにやろうと思っています。ついては、御社のこのリソースが必要です。〇〇さんの力が必要なんです。手伝ってもらえませんか」こういうことを話せるかということなんです。それを普通は手元にこれしかお金がないから何ができるかなとか、自分のスキルがこうだからとか、自分の強みがこれだからといったことで思考が停止してしまうんですよ。自分がこういう世の中にしたいと思うところをベースに、自分がどういう状況であれその未来を実現するために必要なリソースを集めてビジョンを考えて、打ち出してリソースを集めてくる。そう考えれば、貯金が足りないということは関係ない。お金なんてなくても起業できるし学生でもできる。そうやって世の中を変えていくんです。みんなが潜在的に思っていることはたくさんあります。例えば大学生のときにゼミ旅行を企画したんですけど、一人ずつ要望を聞くと〇〇さんは来るの?と言った話になってまとまらないですよね。人数も中途半端になって高くなります。それなら始めから順番に旅館に電話して、30人だけど貸しきれるか、ビールは飲み放題にできるか、バスは貸し切れるかと聞いていきます。みんなに言う時は、この人数だから安く出来て、バスも迎えにこれて、〇〇さんも来る。みんなが満足なんですよね。それは、みんなが潜在的にそうあればいいなと思っていたんですよ。それをその空気感を掴んでまとめただけなんです。起業家A君が世の中全体を一歩進めたいと思っているのなら、世の中の空気を掴んでその空気感を具体化するだけです。具体化するっていうのも、自分自身が全てやる必要はなくて、具体化するためのリソースを集めてくるだけなんです。自分のミッションやビジョンを伝え、夢を描きつつ世の中のニーズと照らしあわせて、ズレのないところでビジョンを打ち出して、必要なリソースをそろえて世の中を変えていく。そういうやり方を身に付ければ手元には何もいらないんです。
ネットいじめ・学校裏サイトの対策で保護者に感謝されたことですね。ネットいじめや学校裏サイトは行政が対策を打ちづらく、先生もスマホで子どもたちが見るサイトを見るかと言われたら見ません。そもそもITリテラシーもそれほど高くなく、どんないじめがあるかを把握することは難しいです。急速にネットいじめや学校裏サイトは世の中に広まっているのに、世の中は対策をしない。じゃあ僕たちは何ができるか考え、ネットいじめや学校裏サイト対策のビジネスを作りました。現在、全国3,500校の学校に導入していただいており、トップシェアを誇っています。
10個事業をやれば7個は失敗していますね。ただ、普通なら10個やって9個失敗します。僕たちは全体思考を持つことで成功確率を上げています。というのも、手元しか見てないと、気がつけば競合からマーケットシェアとられてたりするんですよ。例えば前年対売上が150%伸びていても、競合が自社の倍の売上で、同じく150%成長していたらマーケットシェアは食われているわけです。自社のことしか見てないとリスクが高いですよね。
ガイアックスのミッションは「人と人をつなげる」ことです。アントレプレナーシップをもって、自分自身がミッションを打ち出し世の中を変えていくという仕事のスタイルを身につけてもらい、それをやりがいと思って仕事をやってくれることを大切にしています。なのでガイアックスを卒業して起業する人も多いです。世の中全体がもっともっとこうなっていくべきだと思います。若いからといって経験がないし不遇に扱われるのは非常にもったいないです。みなさんもぜひ、自分自身がまだ若いから、スキルがないから、資金がないからという理由で自分の可能性を閉ざさないでください。この瞬間から3年後世の中に変革を提供できている可能性だって無限にあるんですよ。普通に大学4年生になっているかもしれないし、すごいビジネスをしているかもしれない。できるだけ上に目標をもってほしいです。ガイアックスに来てくれたら、そういった気持ちづくりはお手伝いできます。そういうモチベーションのメンバーがいるので当たり前のように成長できます。