地球にベネフィット
株式会社アクティーエージェント / 藤田 利久
弊社のロゴには、「地球にベネフィット」と「人と人との繋がりの大切さ」という理念が込められています。 「地球にベネフィット」の方でいえば、それを一従業員の立場から「社長、エコなサービスをやりましょう」と言っても、それが実現できる会社というのがどれだけあるのかと。やはり無いですよね、普通は売上につながるサービスでないと絶対できないわけです。そこで、自分で会社をやって、その中でやらないとダメだと思ったわけです。
エコの部分で言うと、データセンターで、弊社のレンタルサーバを使っていただければ、月3,000円でカーボンオフセットが付いてきて、ひいては地球環境の向上に役立っているというサービスを行っています。あとは、基本的には再生紙を使用したり、コストは倍になるのですが、会社を立ち上げた際の壁紙や、カーペットなどで再生のものを使ったりしています。「できることからやっていく」ということですね。
世界で、地球温暖化のために水面が高くなって、やがて沈没してしまう国があるという状況ですよね。 私は去年の4月に娘が生まれたのですが、自分の子供にも、その孫にもきれいで住みよい地球で過ごしてほしいという思いがあります。もしかしたら、私たち自身は何もしなくて良い世代で済むかもしれませんが、その先の世代というのは、急激な気候変化で大変になってくるので、やはり良い環境を残しておきたいと思うわけです。
カーボンオフセットのサービスを始めてうれしかったのは、他社もすぐに真似し始めたのです。 「やったった!」と。実は、エコのサービスで儲かろうとは思ってないんですね。もちろん儲かればうれしいですが、そうではなくて、弊社の活動を他社が真似してくれることによって、私たちだけでは微々たる活動を、業界、ひいては世界中の企業を巻き込むような活動になれば、それは何百年後の未来にも貢献できるような活動になると思うんですよ。
実際、カーボンオフセットの事業というのはリスクがあって、大手の会社さんからやるのは難しいと思うんですよ。 しかし、弊社がこの事業を始めてから、新聞 に広告を掲載しました。実際3ヵ月後くらいから他社が真似し始めたわけです。弊社が始めなくても、始まっていたサービスかもしれませんが嬉しかったですね。
どれも大事ですね。もし自分がこれから起業されるという人にアドバイスをするとしたら、「ベンチャーはやらないように」と言います。 「自分はこの技術が好きなので、この技術で起業する!」って人は、ベンチャー企業に就職したほうが良いですね。営業が好きな人もベンチャー企業に就職したほうが良いですし、事務が好きっていう人は大手に就職したほうがいいと思います。「ベンチャー企業を起こす」と言うのは、全ての仕事を自分でしなければならないっていうことで、その中には本来自分がしたくない仕事も入っているかもしれないですよね。
金策とか人材確保とか、IRとか、お客様とのトラブルとか、何より競合他社が 出てくるかもしれないですよね。 もともとやりたかった仕事がたとえば「技術」だったとしても、ベンチャーを立ち上げて、自分がやりたかった部分は何割なのかと考えると、実際には微々たるものなわけですよ。だから、漠然と「起業したい」という思いでやるなら起業しないほうがいいと思います。会社経営をやりたいという強い想いが大切です。事務も技術も営業も自分ですべてやってやる。どれも大切な仕事なのです。
ITの世界では、一時は成功してメディアで華々しく取り上げられた会社でも結局倒産してしまったりと、難しいですよね。結局は人に好かれるか好かれないかというところだと思うんですよ。もし値段が安いというところで勝負していたとしたら、ほかにもっと安いところが出てきたらお客様は離れていってしまいますよね。そんな中でどのようにして会社を存続させていくかといえば、やはり「その会社のブランドが好き」ということを、お客様も従業員も思ってもらえるかどうかだと思うんですよ。
値段の面では少し高くても、「ここはいつもお世話になっているところだからいいか」と思ってもらえれば、会社は存続すると思うんですよ。人間であり会社であるので、「100%好かれる」というのは難しいですけど、いかにそれに近づいていくかというところなのだと思います。