「ワクワク」の先に答えがある
美LIFEクリエイター・株式会社ルミエール代表 / 長谷川朋美
20歳になると、自分の仕事について悩むことが多くなりました。当時はアパレルの他にタレント活動なども始めていたのですが、常に人と比べられたり競ったりする業界で、それに辛くなり「本当にこれでいいのか?」とやりたいことが分からなくなってしまい、両方の仕事を辞めてしまったんです。その上、大好きだった彼にも振られてしまい…仕事も恋愛もうまく行かず、お金も無くなり、当時の私にとっては「死にたい」と思うほどに辛かったです。
そんな時に思い立ったのが、海外へ旅行をすることです。当時別れた彼は、どこへ行っても誰とでも仲良くなれるタイプの人間で、私にとって憧れの存在でした。そんな彼がいつも私に海外の話をしてくれていたことを思い出し、「彼と同じことをすれば、彼のような人間になれるのでは?」と考え、ロンドンに2週間旅行することを決意しました。
旅行中は、ロンドンを散歩しながら、自分の思いをひたすら日記に書き綴っていました。執筆の作業なんじゃないかと思うくらい、物凄い文量でしたね。最初は、「彼に振られて辛い」とか「何がいけなかったのかな」とか、ネガティブなことばかり書いていました。でも、自分の思いを言葉にしていくうちに、徐々に明るい内容になっていったんです。自分とひたすら向き合うことで、自分がどういう人間なのかを客観的に見られるようになり、「今何をしたら良いのか」というのが明確になったのだと思います。どんどん心が晴れてきて、最終的には、「イイ女になるための10ヶ条はこれだ!」という風に書き出したりして(笑)日記を書いていくうちに、自分の感情が良い方向に変わっていったんです。
はい。その経験から、アウトプットすることがいかに大切であるかを学びました。アウトプットの機会を増やすことは、自分の「ブレない考え方」を作る上でも重要だと思います。考えがブレてしまう時というのは、心の中に言葉にできないモヤモヤした思いがある時だと思うんです。自分と向き合ってどんな感情になっているのかを知ることで、自分の軸になるものが見えてくると思います。
私は、「一生飽きないこと」「自分が綺麗で輝いていられること」で起業したいと考えていました。中学生の頃から美容やファッションには興味があって、そういったことに関する知識は蓄えていたので、その熱意と知識が活かせる仕事がいいと思い、ビューティーサロンを経営することにしたんです。
また、先程も言ったように、私は子供の頃から「自分らしさを表現したい」という思いが強かったのですが、その思いを実現できるのがこの業界だと感じていました。この業界では、自分を自由に表現している方が多かったんです。私自身もアーティストのような自由な感性を持ち、様々なことを表現していくクリエイターでありたいと思い、「美LIFEクリエイター」という肩書で活動することにしました。
経営をする上で大変だったのは、「どれだけ自分の分身を作れるか」ということです。分身というのは、「自分と同じ技術力を持つ人」ではなく、「自分と同じモチベーションで仕事に向き合える人」ということです。経営者がいないと会社が回らないのでは、自分はずっと忙しいままですし、お店としても継続的にうまくいきません。なので、いかにスタッフのモチベーションを上げ、私の分身になってもらうかということに苦労しました。
スタッフが、心から仕事に打ち込める環境を作るように心がけました。その為には、私が指示を出すだけではなく、スタッフ自身に考えて行動してもらうことが必要です。なので、スタッフと話す時には「こういう状況だったら、あなたはどうする?」「あなたにはどんな魅力があると思う?」など、考えさせる質問をするようにしていました。また、より良いサロンの雰囲気を作るため、積極的に高級なサロンやホテルに研修として行ってもらい、その魅力を体験させました。