人を動かすあくなき好奇心
司法書士日本橋リーガルオフィス / 池田 将史
毎日が勉強でしたが、最も印象に残っているのはあるお客様からお叱りを頂いた時のことです。
その時、私は非常に大規模なマンションプロジェクトの登記関係 手続きを担当していました。その物件は、300室以上あり、朝から夜中まで膨大な量の書類と格闘し、各関係者と打ち合わせを重ねる毎日でした。その一連の作 業の中で、一つの書類の一文字の誤字に気づかずに、その書類をそのままお客様へご郵送してしまい、そのお客様から『あなたにとっては何件もあるうちのひとつかもしれないけど、こちらにとっては一生に一回のこと、その辺もきちんと考えてください』と、お叱りを頂きました。まさにおっしゃる通りで返す言葉もあ りませんでした。そのお客様が叱って下さったおかげで、自分が少しのミスも許されない、シビアな業務に携わっていることを本当に実感できました。
自らの生計を立てるための仕事でありながら、同時に社会貢献ができる仕事である、ということでしょうか?
司法書士法第1条では、司法書士という制度について『登記、供託及び訴訟等に関する手続の適正かつ円滑な実施に資し、もつて国民の権利の保護に寄与するこ とを目的とする』と謳っています。その言葉の表わすとおり、私たちは自分の仕事を通して、国民の利益に貢献し、権利を守ることができます。私は、そのよう な誇りをもって日々仕事をすることができています。
ご依頼人としっかりコミュニケーションをとって、信頼して頂けるよう努力することです。
司法書士も他の士業と同じく、<センセイ>業と言われています。一 般的に司法書士に何度も仕事を依頼する方というのは稀だと思いますので、非常にみなさんにとってなじみの無い職業だと思います。そのため、敷居が高いと感 じられることが多いようです。また、特に登記の業務ですと取引の結果を実体通り正確に登記簿に反映させるという性質上、どの司法書士に依頼しても結果が同 じになります。
しかし、当り前のことなのですが、司法書士もサービス業であり、皆さんに奉仕することが第一の存在理由であると考えております。
ご依頼いただいた件が完了した後に、ご依頼人に「やってよかった」と感じて頂けないようなものでは、サービスとは言えません。
せっかく縁があってご依頼を頂いても、しっかりとしたコミュニケーションがとれなければ、お客様にとって、何がベストな判断なのかを把握することができま せん。また、しっかりお話をして、意思の疎通がはかれて初めて信頼関係というものが生れてくると思います。このような仕事の結果に直