農業×エネルギー 静岡から世界へ アグリビジネスの最先端スマートブルーとは?
スマートブルー株式会社 塩原太一郎
きっかけは36歳のとき経営者だった父の会社をクビになったことです。
その当時から僕はやりたいことがいっぱいあったんですけど、僕はずる賢いのでやりたいことを全部父の力を借りながらやろうと思ってたんですね笑。そうしたら父から、自分でやったら?と言われました。クビにしてあげるって言われたんですね笑。
そして突然クビになりました。起業せざるを得なくなって起業しました。
町の電気さんです。電化製品の販売から家庭の電気の工事であったり、エアコンの取り付け工事だったりみなさんがイメージするような電気屋さんで働いてました。
エネルギー分野に対しての問題意識は、もともと持っていました。その問題解決をやりたいって思って、僕は父の会社に入社しました。しかし父は全然そこには興味がなくて、噛み合わなかったんですよね。おちおちしてたらこの機を逃すと思ってたので、社内で勝手に動いてはいたんですけど、やっぱりそれが目についていたみたいです。結果最後にクビと言われました。
少し遡りますが、大学4年間のオーストラリア生活です。いまから20年以上前ですね。当時オーストラリアではオゾンホールがすでに問題視されていました。日本ではオゾンホールって言ってもなかなか誰もわからない時代です。当時から現地では皮膚ガンがすごく多くて、環境に対してはすごいセンシティブでした。当時の僕は全然わからなくて、初めて国家が環境に対して力を入れていている現状を目の当たりにしました。その時点で大学生ながら、環境対策はこれから来るなって感じてました。
海外には行ってみたかったんですけど、英語が苦手でしたし、無理だって思ってました。当初は東京六大学目指していました。勉強を続ける中、自他共に無理だってなって白旗あげたときに、父がわざとらしく、僕の目につくところに留学の記事とかを置いていました。その記事を読んでこれいいじゃん!と思って母親に言ったら、父親に相談してごらんと言われ、父親に相談したらいいよって言われて決めました。
目的を持って物事に取り組んでいるところだと思います。例えば教育の分野だと、大学になんで入るのかという質問に対して、日本では当時から先生や友達と話していても、「いい大学入ったらいい会社入れる」といったことばかりいわれていました。だってその方がお金もいっぱい入るから豊かな生活できるでしょ?って考える思考回路だと思います。
でもこれだと結局「自分が何をやりたいか」だったり、「なんのためにやるか」なんて考えないんですよね。それに対してオーストラリアの学生はなんのためにやるのか明確にあるんですよ。「将来このようなことをしたいから、こういうものがいる」といった形で。これは親のレベルの話でも一緒です。日本の親はとにかく稼がないと、子供の学費出すのも大変なんだからって話よく聞きますよね。でもオーストラリアでは小さい頃からなんのために働くのかっていうのを教えられて育ってきているので「家族とこのようなことをしたいから、これくらい稼ぐ必要があるんだ」といった明確な違いがある。ここが一番大きな違いですかね。
日本の法律なんか見てもタバコは体に悪いってわかっているのに安いし、ガソリンも日本じゃディーゼルとハイオクの差が大きくディーゼルを買いやすい。でも当時からオーストラリアはガソリンのハイオクとディーゼルの差も小さかったです。環境に優しいものは低い税金、悪いものは高い税金を課すって感じで。あとは車のシートベルトに関しても、最近になってやっと日本は全席シートベルト着用だけど、海外は昔から当たり前のように全席着用だし。日本のことを話すと、ブラックジョークかのように笑われちゃってたんです。当時、僕は日本が笑われると「なにを!!」って思って言い返したくなってたんですけど、その辺は言い返せなかったです。そんなちょっとしたギャップをオーストラリアでたくさん感じることができたと思います。
そうですね。今言った環境問題に対する意識のギャップと、働く意義に対してのギャップ、そのほかにもたくさんありました。そのギャップを埋めることが私の中に日本で生きていく中で、必要になる目線なのかなあと漠然と思っていました。