色んな事に興味を持って、チャレンジして。
小城麻友子税理士事務所 / 小城 麻友子
環境情報学部に所属していましたが、同じキャンパスの中の総合政策学部のゼミで、経済や金融について学んでいました。あまり皆さんの参考にならないかもしれないのですが、私は大学に入学することが目的だった所があって、周りの人に比べるとそんなに積極的ではなかったです。普通に授業を受けて、普通にアルバイトをしてという感じだったので、今思えばもっといろいろと活動しておけばよかったなと思います。海外に行くとか、アルバイトも色々な種類を経験したらよかったなと。当時の私は「○○は私には出来ない」という思い込みがあって、それをなかなか破ることが出来なかったんですね。
いいえ。私自身、「もう目的のための勉強はいいや」と思っていて。好きでやる勉強はもちろんいいのですが、資格試験のような「いつまでに、ここまで覚える」というような限られた試験はもう嫌だと思っていたので、普通に就職活動をして、ベンチャーキャピタルの企業に就職しました。
元々銀行志望だったんです。なぜ銀行かというと、就職活動の時どの業界に行ったらいいのか迷ったんです。どの業界もそれぞれに面白いですが、銀行はその沢山の会社を外部から見る事が出来ますよね。それに惹かれて銀行を志望したんです。ですが、銀行は総合職では、男の子を100人取ったら女の子は1、2人位しか採用がなかったのです。それで大学の就職課に「金融系を中心に受けているけれど、なかなか決まらない」と相談したんです。そこでベンチャーキャピタルの会社を紹介していただいて、アーリーステージの熱い会社に関ることも面白そうだなと思って面接を受けて、無事内定を頂けた。それでその会社に就職したんです。
ベンチャーキャピタルというのは、自分の会社からお金を出してベンチャーに投資するという事もしますが、それだけでは資金が足りないので、他の会社からお金を集めてファンドを作るんですね。そしてそのファンドからも投資するんです。そのファンドのお金は、最終的に分配しなくてはいけないので決算書を作る。私はその決算書作成と、それからファンド内のお金の運用などを担当する部署に配属されたんです。そこで公認会計士の方と一緒にお仕事をする中で、「資格を取ると言うのもいいことなのかな」と思うようになりました。
それに加えて、色々な女性の先輩方を見ていて、「30歳になった時に毎日愚痴を言いながら仕事をしているのは嫌だ」と強く感じたので、新しく資格にチャレンジしてみるかと思ったんです。ファンド監査で知り合った公認会計士の方は公認会計士試験を勧めてくれましたが、公認会計士というのは大きな企業を相手に監査をするので、それよりは、小さい会社が成長するバックアップをしていける税理士の方が良いかなと思ったんです。それから、税理士の試験は1科目ずつとれるという事だったので、性格的にも能力的にもオールマイティではない私は、税理士試験を受けることを決めました。試験が一区切りした所で、税理士事務所に転職したんです。
大手の企業の申告業務と、M&Aや事業再生などの際のすなわちデューディリジェンスという帳簿の数値を時価に引き直したらどうなるかですとか、M&Aや事業再生の対象が金融機関であれば、その金融機関の貸出先がどれくらいの返済能力を持っているのかという、「その会社の本当の価値はいくらなのか」という計算のチェックをしていました。
仕事は大変でしたが、勉強になることもありました。平成13年とか14年の地銀が凄く潰れていた時代に、潰れてしまった銀行の資産査定の手伝いもしましたので「こうやって潰れていくんだ」という事がわかりました。 ただ、続けていく中で、仕事内容が申告かお手伝い業務しかできないことや、決算期に仕事が集中してしまう事、それから申告の部署、会計の部署というように仕事が完全に分化されている事等に、疑問を感じだしたんですね。私としては、一つの会社の月次決算や申告を行うだけでなく、その中で会社の悩みを聞いて、それに対してアドバイスする、いわゆるコンサルティング業がやりたかったんです。 それで、もう少し違う事務所で税務だけでなく、会計や全般的な事を知りたいと、別の会計事務所に移りました。その後、外部から会社を見るのではなく、実際に内部から会社を見たいと思い、リース会社の投資銀行部門に移りました。