農業×エネルギー 静岡から世界へ アグリビジネスの最先端スマートブルーとは?
スマートブルー株式会社 塩原太一郎
<経歴>
1972年6月5日 静岡県 生まれ。なんと、この日は世界で初めて地球資源と開発について各国の代表が話し合いを始めたストックホルム世界人間会議の初日です。この日が世界的には「世界環境デー」、日本では「環境の日」となっています。
私が生まれた日から世界が持続可能な社会創りの歴史を始めました。
大学で社会学、心理学を学び卒業後食品メーカーに勤めアジアを舞台に社会人をスタートする。その後、父が経営する家電販売店に10年間勤め戸建営業、電気工事、水道工事、住宅リフォームを学ぶ。2010年に独立しスマートブルー を立ち上げる。2012年の震災後ブームとなったメガソーラー建設に着手せず地道に事業所用太陽光発電を取り扱う。当初から国土の狭い日本ではメガソーラー建設には限界が来ると感じ、耕作放棄地を利用できる営農型発電(ソーラーシェアリング)に傾倒していった。現在は東京大学、静岡県立大学と共同研究を行い更なる営農型発電の発展に貢献している。SDGs(持続可能な開発目標)の観点から農業と再生可能エネルギーを地方創生に生かすため先ずはスマートブルー が持続可能な企業として先陣を切るべく仕組みづくりに没頭している。
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現在、事業としては3つ行なっています。1つ目は再生可能エネルギーの分野で事業所向けのエネルギーマネジメントのコンサルティング、2つ目は発電所の運営、そして分野が農業に移り、3つ目は農地の利用のコンサルティングです。
1つずつ詳しく説明すると、1つ目のエネルギーマネジメントのコンサルティングでは会社の事務所、工場の屋上の屋根にソーラーパネルや蓄電池の設置、省エネについての商品をトータルでコーディネートを行なっています。2つ目発電所の運営ではみなさんが想像するいわゆる普通の電力会社と同じことをしています。具体的には発電所の運営です。自分たちで電気を作ってそれを販売しています。そして3つ目農地の利用のコンサルティングでは、営農型発電の展開・開発施工販売をしています。また行政、企業に対してアグリビジネスそのものの企画や開発も行っています。
これは市町村が抱えるローカルな問題を解決していくビジネスです。例えば、耕作放棄地がたくさんあって困っている、大型の農業施設が撤退を決め残された施設の利用方法に困っている。このようなローカルな困りごとに対して我々がソリューションを提供していくと言ったビジネスをアグリビジネスと呼んでいます。
おそらくそういうようなところでもあり、そういうところではない、という答えになります。例えば静岡の場合、地元電力会社はすでに原発に何百億も投資して、施設を作っています。彼らが利益を出すためには既存の施設の回転率をあげて、減価償却していくコストよりも売上をあげる方法を取るしか現状ありません。私たちの発電所運営というのは、地域問題に資する形で新たに施設を作ります。これは規模の大きな電力会社にはできません。そして個人の自己防衛的な概念にはなるのですが、もし災害が起きても様々な場所に発電所があれば企業の持続可能性にとってもプラスに働くだろうと考えています。そして決め手として国が電気を売ることを認めてくれています。この3つが掛け合わさって事業性悪くないねっていう判断をされ、参入する一般企業が増えていると思います。
売上に貢献しているのは、農地利用のコンサルティングから派生してくる発電所建設、不動産売買です。
次に来るのは営農型発電の事業です。これが今伸びてきています。将来的にはひっくり返ると思います。
営農型発電の事業というのは農地で農業と太陽光のシステムを併用して運用する事業です。以前から多くの農家の方から農業がうまくいかず農地が遊んでいるという声がありました。このままでは農地が荒れていくから、太陽光発電したいっていう要望はもう起業して以来要望がずっとありました。しかし農地法がそれを許さなかったんですね。だからお断りしてんたんですけど今から5年前、農林水産省が突如特定の要件を満たせば、農地で農業と太陽光のシステムを併用していいですよと法改正が行われました。これによって今どんどん営農型ビジネスが伸びてきています。