日本以上の学歴社会、教育格差
e-Education Project / 税所篤快
何といっても村の子供達から合格者が出た事ですね。水害に苦しむハムチャーという田舎から、4人もの大学合格者がいきなりでたというのは「奇跡だ」とバン グラデシュでは話題になりました。「おおきな1歩を踏み出せた」と感じましたね。4人のうちの1人は、バングラデシュの東大と言われている「ダッカ大学」 に合格しました。このモデルの拡大の可能性を繋げる事ができたと思いました。
そして来年から10箇所で「e-Education」を展開しようと思っています。現地に存在する「ブラックネット」というベンチャーキャピタリストの 原丈人さんが現地最大のNGOブラックと設立した通信企業が、現在農村部にネットワークを広げる為に100箇所ほどのインターネットセンターを持っている んですが、「ぜひe-Eduのコンテンツをうちでも!」と半年ほど前から調整が進み、そのネットセンターの10箇所を使わせて頂ける事になった為、来年か らの展開が可能になりました。それも合格者を輩出したという実績があったからなので、嬉しかったですね。
ありがとうございます。更に嬉しい事は去年の合格者達が「僕達もこのプロジェクトに入って同じ境遇の高校生にどんどんチャンスを広げたい」と言ってくれた 事ですね。映像授業合格者第1号の彼らが自分の口で言うと本当に説得力があるんです。現地の人間が中心になって行動できた方が良いと思いますし、去年1番 ポテンシャルを発揮したのも僕ではなくマヒン君でした。
僕自身は彼が実力を発揮できるような土台を整えた側面が強いですね。彼はこのモデルを本当に信頼して動いてくれるので、まるで自分の分身のような気がします。来年10箇所の現地統括は彼に任せ、僕は新しいプロジェクトにシフトしようと考えています。
新しい大学の設立です。バングラデシュでは高校卒業試験の合格者が50万人いて、その中の30万人が優秀な成績を収めているんです。しかし大学のキャパシ ティは10万人ほど、これって日本の7分の1のキャパシティなんですよ。大学も公立と私立の割合が3:7ほどで、私立大学はやはり学費が高いので貧しい子 達は3万人の中に入らないといけない。正に究極の椅子取りゲームなんです。そんな中「e-Education」はこの競争を煽っているだけで、根本の解決 になっていない」という批判があったんです。そこで僕達で受け手、つまり貧しい子達の為の大学も作ってしまおうと考えたんです。今そのプロジェクトが進ん でいて僕はその発案者として動いています。
現在、バングラデシュでの大学へのニーズは非常に大きいです。日本と同じくらい人口はいるのに大学のキャパシティは日本の7分の1ほどです。しかもビジネ スに走ってしまっている私立大学が多く、「教科書は海賊版、マンションの一室で」みたいな「しょうもない大学」が多いんです(笑)。だから、学位だけ乱発 しています。そんな状態のなか日本がイニシアティブをとって「貧しい層でも行ける良質な大学教育」を提供できたら、「とてつもない革命」だと僕は信じてま す。
実はこの4月から、僕が高校生のころに日経エデュケーションの「高校生のための、社会スタディ」で出会ってからずっとお世話になっている、一橋大学の米倉誠一郎教授と大学設立の前身としてIIR Japan Innovation Collegeをスタート、バングラデシュと日本の大学生をチェンジメーカーとして育成します!
「おもしろい!!!」と自分が感じたことや、「世界を変えれるかも。」と感じてしまうと、もう居てもたってもいられなくなってしまうんです(笑)。
やりたい事をやっていることはとても大切だと思います。やりたい事をやりつつ、向上心を持って生きていたいです。4,50歳になると向上心が薄れてくるじゃないですか。そうではなく、死ぬまで向上心をもっていたい、チャレンジしていきたいと思います!
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