“社会モテ”する会社を創出
スターブランド株式会社 / 村尾 隆介
僕自身は、モチベーションというものは、自分で上げたり、維持したりするのには限界があると思っています。モチベーションは上げるものではなく、周囲から上げられるものだと思っています。「あの人が、あんなに頑張っているのだから、自分ももっと頑張ろう」、そう思わせてくれる人の存在が、自分のまわりにどのくらいいるかが、モチベーションアップや維持には、とても大切です。「自分の周囲にいる10人の平均年収は、自分の年収」という言葉がありますが、これはちょっと角度を変えて考えれば、「自分の周囲にいる10人のモチベーションの平均値は、自分の“人生への積極性”のレベルと同じ」とも言えます。ですので、モチベーションを上げたいという方は、人づきあいに、ちょっと工夫を加えると良いかしれません。 僕は、立場上、いろんな地域の人や世代との付き合いがあり、「絶対に自分よりもモチベーションが高い人10人」だけを絞って、その人たちだけと交流していくということが出来ません。ですが、モチベーションコントロールのために、良質なエンタテイメントや、めちゃくちゃ周囲を楽しませているような人、社会に多大な貢献している人などと、定期的に触れ合う機会を持つように心掛けています。すると、「やばい! 自分ももっと頑張んなきゃ」となります(笑)
僕の著書の『My Credo』の中に書いてある250字の事例のmissionが、実は僕の人生そのもののmissionです。世の中には、たくさんの会社が存在しますが、その大半が小さな会社です。小さな会社の中には「経営は苦しいもの、辛いもの」、また経営者自身も「自分はビジネスには向いていないのではないか?」と迷いながら仕事をしているところが少なくありません。でも、一方で、小さくてもきらりと輝く会社、お客さま以上のファンがいっぱいいる会社も、各地域・業界にたくさん存在しています。そういう小さな会社が存在することを、僕は伝えていきたいと考えています。また、そのノウハウを伝えていきたいと思っています。これが、現段階の、僕が生きている理由です。ここに人生を捧げています。 こういった使命感は、単なる思い込みだったりします。勝手に自分が社会から課せられた「任されごと」や「試されごと」という思い込みです。これには正解がありません。ほぼ勝手に決めて、勝手に自己暗示し、勝手に極めていくようなものです。でも、こうして使命感を持って仕事をすると、社会は俄然おもしろくなります。しばらく一生懸命やっていると、社会全体が急に自分の味方になってくれます。この感覚を、僕はたくさんの人に味わってもらいたいと思い、日夜講演活動を行っています。
誰もが、多かれ少なかれ、人間関係で悩みを抱えていると思います。でも、思い描いたキャリアを達成する人、成功するような人は、普段から人付き合いが上手です。人付き合いが上手い人は、大まかにいうと「嫌いな人がいない人」です。ベッキーさんや石川遼君、浅田真央さんを嫌いな人って、そうそういないと思います。こうした「嫌いな人がいない人」を、ただテレビで観るのではなく、「どうして彼らは嫌われないんだろう?」、「どこが他の人たちと違うんだろう?」という研究をすることを、いろんな人に勧めています。 ここで挙げた彼らの共通点を挙げるとするなら、「すべての人に平等に接することができる良きマナーの持ち主」であるということだと思います。それが、とても心地よい空気感として表れていますね。もし、それが彼らを研究した結果の“学び”だとしたら、あとは簡単です。あなたも、例えば今日カフェに行ったとしたら、ぶっきらぼうに「コーヒー」と注文するのではなく、ちゃんと相手の目を見て、敬意を持ちながら「コーヒーください」と、しっかりとしたマナーで店員さんにも接することです。「お金払っているんだから、俺が客」では、ベッキーや遼くんと同じ空気感を発することは難しいですね。
ぜひ、どんなに短期間でも良いので海外に出て、学業や仕事などを、「観光」ではなく「住む」という形で経験することをお勧めします。僕は国際派と呼ばれる人と言葉を交わす機会が多いけれども、最近、日本の学生は、なかなか海外旅行にも行きたがらないと嘆いていました。でも、あえてそういう傾向にある今だからこそ、感性や経験値、人間力で抜きんでるために、海外で色々なものを感じてくるということを、ぜひ学生には積極的にして欲しいと思っています。 今も続けていますが、僕も若いときから世界を旅してまわり、色んなことを見たり、聞いたり、感じたりしてきました。その経験が、あらゆる場面で活きています。色々な国を訪ねたからこそ、日本の良さも悪さも理解できています。海外を知って、日本の社会を比較論で考えることができるようになると、「しあわせ」や「がんばる」「成功」といった言葉の輪郭が、よりハッキリしてきます。幸せになるためには、また成功するためには、もちろん頑張らなきゃいけません。でも、それらの正体がハッキリわからないまま、それらを自分で定義づけることができないまま、やみくもに前進していくと、いろんなロスが生じます。だから、海外に一度は出て、それらの正体を、自分なりに掴んでくると良いと思います。