あるがままに生きる
株式会社ヒューマンクオリティー / 樋口 ユミ
自分で自分の責任を負いたいと思ったのが一番強い動機だと思いますね。
会社というのはどこかで誰かが自分のミスをかぶってくれていたり、責任をとってくれている部分があって、それがとても嫌だったんです。
負けず嫌いというのもあるかもしれませんが、自分の責任は自分で背負いたいですし、逆に自分が頑張れば自分にそのままに帰ってくる。自分の生き方を自分で決められるというのが原動力なのかもしれません。
経営者になった事によって、自分の長所も短所もすべて反映されるので、自分と自己問答する時間が増えたことが起業の魅力だと思いますね。
今まで会社や組織の中にいた頃よりも、より自分を深く考えているように思います。仕事でも自己成長でもとても重要な事だと思っています。そうでなければ、色々なものに左右されてブレてしまうことが多くなってしまいますよね。
自分を見つめる習慣ができたことで、自信をもってお客様にアドバイスすることができるようにもなりました。
今はハラスメント防止の研修を中心に、会社や団体と契約をするハラスメントの外部相談窓口も行っていますが、何がハラスメントかそうでないかは、線引きがあって無いようなものなのです。
ですから、こちらから一律で考え方を押し付けないことを大切にしています。例えばですが、飛行機を整備する会社でしたら、一つのミスで飛行機が落ちてしまう可能性があるわけですから、ミスは当然許されず、もしかしたら厳しい指導も必要かもしれません。もちろん、殴ったり蹴ったりしても良いというわけではないです。化粧品のカウンセリングを中心にしているお店だったら、大声を出して叱っていたら、店舗全体やお客様にも悪い雰囲気は伝わってしまうかもしれません。
それぞれの会社や団体の方針があるので、そういう方針を大事にしながらアドバイスをしていくということを意識しています。
イギリスや北欧のようなポジションになることもありえるのではないでしょうか。
高度経済成長のように急激に伸びるのではなく、ゆるやかな伸びを見せながら、協力しあう社会、福祉的な社会に徐々になっていくのかなと思いますし、そうなってほしいと思います。
失われた10年の中で、多くの会社で30〜40代前半の人たちがいなくなってしまいました。組織の中でノウハウが引き継がれない、人がなかなか育たないという問題があり、そういう事も考えると経済的にゆるやかな上昇をみせる社会になるのかなと思います。
20代の人たちには、指導者や先輩が少ない中で成長しなくてはいけないのですから、大変かとは思いますが、逆にとらえれば好きなようにできる、自分のやりたいようにやれる、自分の思うような社会をつくっていくこともできるのではないのでしょうか。
とにかく長期的に続けていきたいですね。
そして時代にあったニーズを提供していきたいと思います。今はセクシュアルハラスメントからパワーハラスメントをキーワードとしていいますが、今後もまた新たな社会的問題というのが出てくると思います。
人の考え方や価値観が変わっていく中で、その時その時で必要とされるものを提供していきたいです。