正しい価値観を持っているから、成功する
株式会社 小宮コンサルタンツ / 小宮 一慶
まず世の中を見る事です。これから世の中がどう動くかというアンテナをはらなければいけません。もう1つは、人はどんなものなのか理解する事です。先程申し上げましたが正しい価値観がないと人とは何かということを理解できないんです。成功するかどうかが経営者自身にかかっているという事は、その人の価値観が正しいかどうかにかかっているんです。
しかし、基準がないと正しいか否かは判断できない。ですから私は中国の古典など普遍的な価値観に照らし合わせて経営者の考え方の是非を判断しています。長期間にわたって本当に成功している方は、やはり正しい考え方をしているんです。短期的にパーっと儲かるけど、その後大失敗する人はほとんど正しい価値観について勉強していません。ですから「成功したから正しい価値観を持っている」のではなく、「正しい価値観を持っているから成功した」のだと思いますね。そのためには常に勉強する事が大切なんです。人間は正しい努力をすれば成功するようにできているんですが、大多数の人がその正しい努力の方法を知らない。
環境の良し悪しもかなり影響がありますね、努力する人間が多い集団に身を置いていれば自分も努力するようになる可能性が高いんです。やっぱりそういう人間が多くないと世の中も発展しないですしね。でも多くの人が先駆者ではなくフォロワーになってしまう。それも価値観の1つだから悪い事ではありませんがそういう人は経営者向かない。やはり世の中を引っ張っていくリーダーになるという気概がないとね。
世の中は他人の成功なんて何1つ気にしておらず、世の中に貢献しているかどうかを気にしているんです。だから世の中へ貢献する気持ちがない人は起業家としても成功しません。パッと花咲いてフッと消えてしまう起業家の方が多いのですが、それは世の中への貢献を考えず自分の金儲けのためだけに起業した人。私はそんな心持ちで長く続いた経営者を知りませんね。何故続かないかというと、志がないからなんです。目的、つまり社会やお客様から見て「どのような貢献をしてくれるのか」という存在意義がないと消滅してしまいます。「金持ちになりたい」「偉くなりたい」という自身の欲だけでやっている人は最初は頑張っていても存在意義がないから世間が評価しなくなってしまう。その姿勢は商品やサービスにも表れますから。
そうです。したがって目的を明確にする事が大切なんですが、それだけではダメなんです。目的を果たすのに見合った技術や強みが必要で、それがないと気合だけの人になってしまう。また、尚且つその強みが世の中のニーズに合ってるかどうか、が大切です。 だから「志」「世の中のニーズ」「自分の強み」の3つが合わさったところで勝負する事。そうすれば必ず勝てます。その強みも他に追いつかれないために日々努力や勉強し続ける事が必要なんです。頭の良し悪しではなく正しい価値観を持つ人が生き残ると思いますね。
非常に単純で「世の中に良い会社を増やす事」です。良い会社とは良い商品やサービスを提供する会社ですよね?そうするとお客様も世の中も喜びますし、会社も儲かります。そしてその会社の社員も経営者も豊かになり、購買力が増えて更に良い商品やサービスを提供するようになりお客様が増えるという良いサイクルができるんです。そんな会社を増やしたいというのが私の志ですね。
そして私も儲かる事になりますが別にその儲けのためにやっているのではなく、あくまで利益は結果なんです。でも多くの人は利益を目的にしてしまう、それで成功した会社も私は知りません。やっぱり、そういう会社にはお客様は寄り付かない、だってそんなのを前面にアピールされたら嫌じゃないですか。でも「良い商品、サービスを提供しています」という会社なら仕事をして貰いたいですよね?やはりそれを目的にする方が結果的にお客様が増えて儲かる、そういう事を私は経営者に教えています。ただ教える以上は自分も儲かっていなければ誰も信用してくれない、だから経営者に教える事は私自身も必ず実践して実際に儲けを出して説得力を持たせるよう努めているんです。
お客様から見て良いかどうか、つまりお客様の視点に立って商品やサービスを生み出しているかどうかが重要ですね。経営側からの「こういうものを売りたい」という想いは関係ないんですよ。だから自己中心的な人はお客様の視点に立てず商売に失敗してしまいます。逆に優しさがあり、人の気持ちを考えられる人はお客様の視点にも立てるので成功する可能性が高いですが、その気持ちだけでは上手くいきません。先程申し上げた知識や技術が不可欠です。それに論理的思考力も必要、学生時代や若いうちにどれだけ頭を鍛えたかがものを言いますね。