「Where there’s a will,there’s a way. 〜意志あるところに道は拓ける〜」
OMOYA Inc.代表取締役社長 / 猪熊 真理子
当時は、ITバブルの勢いもあって、本当にたくさんの経営者の方と出会うご縁がありました。また、経営や起業に関心が強かったので、自分からアポイントを取って会いにも行きました。ここで大切にしていたことは、ただの女子大生としてではなく、起業したい一人間として積極的な姿勢でいたことです。どんな事業をしているのか、どんな理念があって何を大切にしているのか、ということをお聞きしたりしていました。
読者モデルを始めたことに関しても、最初はおしゃれな服をきて、かわいい子にも出会えることが楽しいという感じだったのですが、途中から伝えたいメッセージがあって、色々な人に知ってもらいたいという想いに変わりました。例えば、ブログを書くと次第に影響力を持ちますよね。そうすると本当に色々な人が見てくれて、その人たちの心に届けることができる。そういう面白さを感じていました。
当時は「女性が自信を持つ」というメッセージでした。何故日本の女性は自信がないのか、どのようにしたら自信が持てるのだろうか。
美容やファッションやブログで出会う物に対して、 ブログを通して、ブランドやサービスが持っている想いを、女子大生という等身大の自分が感じたことを通して伝えていく。想いを通訳するような役割だな、と感じていました。
読者モデルをしていると、 みんなかわいい子ばっかりで、周りに圧倒されましたね。どうすればいいんだろう…とか悩んだ時もありましたよ。でも、ある程度経験を重ねていくと、人や環境に対する見方が変わってくるんです。 私から見たら可愛くてとても綺麗な女性達が、自信がなかったり、自分自身に対して悩んでいたり。周りから見たら憧れられるような彼女たちも、それを幸せと感じられるかどうかは、彼女たちが自信を持てるかどうかなのだと。それ以来、女性の自信の形成に対する関心がより湧いてきたように思います。
「多様な経験」と「受け取る力を持つこと」、そして「自分のどこに焦点を当てるか」だと思います。人間、だれしも強みや弱み、長所や短所を持っています。嫌いなところをずっと見つめているのか、もしくは、好きなところや得意なこと、できることに目を向けるかでは生き方が変わってくると思います。
「自分を信じる」と書いて自信ですよね。まずは「自分は誰の役に立てるのか」というところに焦点を当ててみることから始めたらいいと思います。「私なんて…」と考えてしまう人に共通するのは、自分にベクトルが向いているということなんですよ。常に、自分は誰かの役に立てる存在だと信じて、誰かの役に立って喜んでもらうことを実感していけば、自信はどんどんついていくと思います。例えば、電車で席を譲るという小さなことでもいいんです。その積み重ねが自信に繋がり、心の財産になっていくと思います。
「やりたいことを、何でもやってみる。」が、私のモットーでした。大学時代を振り返ってみると、1年のときは、おとなしい学生を送っていました。大学の寮に入っていたので、門限やお掃除当番があったり…。2年目になった時に一人暮らしを始めたのですが、心の中では、「大学生活、何か思いっきりやってみたい!」って思っていたんです。そこから、「やりたいことはなんでもやってみる!」をモットーに、勉強もサークルも学外での活動も、何でも欲張りに経験してみようと思っていましたね。
勉強に関しては、心理学を専攻していたので、卒論のテーマは「女性らしさとは何か」で論文を書きました。心理学を学ぶ中で、女性の自信形成に対する興味が湧いてきたところもあったんです。
学生時代から、将来起業したいということを周りにはよく言っていましたね。(笑)起業したいというよりは、自分はいつか経営者になるんだろうな…と思っていました。当時は、私の周りに経営者や学生起業家がすごく多くて。
起業は 自分の想いを大きく社会の中で具体化する方法なんだと思います。 私は「会社=人間のようなもの」と考えていて、経営者やそこで働く人の生き方や人間性が事業に反映される、というのが面白いと思っていたんです。“人となり”が事業として社会に反映されることがあるので、その人がどれくらい人間として成長しているかということが、事業に影響を与えたり、社員や組織に伝わっていくことがあります。経営者というのは自分の経験や持っているもの、成長が100%生きてくる職業なのだな、と。私にとっては、それが起業する時の魅力でもありました。
学生時代は、やりたいことは何でもやってみたり、色々な人に会うと良いと思います。人に会う時は、その人から何を学ぼうとするかというスタンスも大切です。何も考えずにただ会うのでは意味もありませんし、時間も勿体無いですよね。人と会うことで自分の知らない世界や、考え方を知り、そこから何を学ぼうとするかということがとても大切だと思います。 私は、学生のころから色んな方にお会いしていたので、学生時代に知り合った方々とは今でも親交が深くて、10年来の友人もたくさんいるんですよ。