質問は、人生を変える
マツダミヒロ事務所株式会社 / マツダミヒロ
「アドバイス」は、効果は短い。なぜかというと、その答えは自分から生み出したものではないからです。逆に、「しつもん」では効果が長いんです。なぜかというと、その「答え」は自ら生み出したものだからです。つまり、受動的か能動的かの違いですね。そして、「質問」の中にも実は4種類あるんです。1つは「疑問」です。疑問からは解答が返ってきます。一般的な質問はこの疑問に属しますね。自分が聞きたいことを単純に聞くことですね。2つ目が、「クイズ」です。クイズには1つの正解があります。「このお茶の名前は何でしょう?」など答えが1つになるものがそれに属します。
そして、「尋問」というものがあります。尋問には言い訳が返ってきます。「なんで、遅れてきたの?」 「なんでやらなかったの?」などです。この3つの共通点は「自分のための質問」なんです。そして最後に、「魔法の質問」というものがあります。魔法の質問は「相手のためになる質問」です。別軸で言うと、質問の中には「自分のための質問」「相手のための質問」「双方のための質問」があります。「双方のための質問」が沢山できるといいですよね。
今年では、ドイツ、シンガポール、オーストラリア、上海で講演を行いました。ちなみに、海外には「しつもん」という概念がないんです。「説明」や「尋ねる」などの疑問しかないんです。なので、この「しつもん」というものを世界共通語にしたいんです。
ある学校の先生が私の講座に来てくれたんです。その講座では、コーチングやトレーニングではなく、「自分が質問をして」、「みんなに答えを考えてもらい」そして「周りの人と共有」するというスタイルを取りました。これが私の基本スタイルなんです。そして、その先生は 「すごく学びがありました!」とその講座を通して感動してくれたんです。なぜそんなにも感動したかというと、その先生はあることに気がついたんです。それは、「何も教えられていない」ということなんです。面白いですよね、「教えられてないのに、学びが多い」と。これが「しつもん」の力なんですね。その先生は言いました。「いつも、私は生徒に教えているのに、学んでくれない」と。なので、その講座をきっかけにその先生が「しつもん」を意識し始めたら、生徒が激変したらしいんです。改めて「しつもん」の力を感じましたね。
そうなんですね。「インプット」と「アウトプット」が一緒になったときに初めて、「学び」というものが得られると考えています。なので、私の講座でもこの「アウトプットの場」を沢山設けることを意識しています。本を読む場合でも、ただ読むという「インプット」をしていても、「アウトプット」をしなければ学んでいないのと同じだと思うんです。そういう意味でも「しつもん」をもっと活用して欲しいですね。