質問は、人生を変える
マツダミヒロ事務所株式会社 / マツダミヒロ
「教える」ということはあまりないですね。私が大事にしている子育てのスタンスは1つだけです。それは、「この子から何が学べるだろうか?」というものです。教えることばかり考えると、常に自分が子供より優れている必要がありますよね。それでは、ストレスが溜まってしまいます。親と子はただ役割が違うだけで、同じ人間なんです。この考え方は、セミナーなどの場でも言えるかもしれません。最初の頃は難しいですが、講演者として参加者の前に立っている時、「今日の参加者から何を学べるだろうか?」ということを意識しています。このように考えると、物事がいい方向に進むんです。
「このしつもんの意図は何なんだろう?」ということは特に意識していることですね。そして、「この答えの奥には何があるんだろう?」ということも考えます。
あるストーリーがあるんですが、舞台はある学校の授業中です。私はいつも子供に「何でも叶えられるなら、何になりたいですか?」というしつもんをします。
そして、ある学生が「俺は悪魔になりたいです!」と言ったんです。「魔法の質問」をする時の決まりとして、「答えは全部正解」「答えが出なくても正解」そして、「全部に対して、いいね!と言う」という3つがあります。なので、「悪魔か、いいね!」と言いました。そして、しつもんを続けました。「なんで悪魔になりたいの?」彼は、「俺が思い通りにできる世の中にしたいから」と言いました。そして、「思い通りの世の中ってどんな世の中?」と聞くと、「平等っす!」と言ったんです。最初の答えだけを聞くと、普通の先生なら怒るような答えだったと思うんです。答えばかりにフォーカスするのではなくて、その答えの「奥にある想い」を聞いてみたら、大切なものが見つかる時があるんで
す。一言でいうと、「じっくりと相手の答えを聞き、本質を見ようとする」ということだと思います。
そこに、「どのような事実があるのか?」ということをまず考えます。事実を見つけ、その事実を色々な角度から考えます。そして、しつもんをしていくんです。経営コンサルタントなどは、その事実を直ぐに見つけ、「このようなことをやったほうがいいよ」というようなアドバイスをすると思います。私は、相手がそのアクションを自らで引き出せるように、「しつもん」を行うことで、その人自身が「答え」を引き出せるように手助けをするんです。
「魔法の質問」を行なっていく中で、キッズインストラクターという制度があります。しつもんの仕方を伝え、子どもたちにしつもんをしてもらってるんです。そのキッズインストラクターをもっと増やしたいですね。そして、学校の先生が「魔法の質問」ができるように学校での授業などを通して広めていきたいです。なので、今後は学校でも使えるようなプログラムを作ろうと思っています。もちろん、企業向けにも行なっていく予定です。
「どんな100年後をつくりたいですか?」というしつもんを贈りたいですね。自分だけが儲かればいいと考えているのなら、5年後、10年後のプランを考えればいいと思います。しかし、本当に世の中にイノベーションを起こし、「真の起業家」になりたいと思うのであれば、このしつもんはとても重要なものだと思っています。