努力に勝る才能はなし
社会起業大学学長 / 中村大作
僕が就活していた当時、リクナビが出始めてきた頃で、まだ就職活動ははがきを出して資料請求することと並列していた時代でした。建設関係を中心に就活していたんですが、大学生時代に海外にも興味を持っていました。バックパッカーに憧れて、当時20ヶ国くらいまわりました。海外に関心を持ち始めたからは、人との繋がりを非常に意識するようになったんですね。そのため、就職活動するときは旅行業も就活の軸に入れていましたが、最終的に大学卒業後は建設の会社に勤めることになりました。
2年ちょっと働いておりました。自分は元々人との繋がりをすごく大事にするタイプなんです。居酒屋でのアルバイトも、お客様から喜ばれるのとか、仲間から信頼されるとかがとても好きだったんです。しかし建設業において、橋を作ったり、ダムを作ったり、道路作ったり、もちろんありがとうとは言われるんだけど、橋を渡る人に「中村さんありがとう!」と個人名で言われるかと言えばそんなことはありませんでした。(笑)充実感はあるんですが、なんか腑に落ちないところがあったんですね。1つの建設の仕事が終わったときに感じるのは、
もちろん達成感も感じるんですけど、工事を安全に終わらせたという肩の荷が降りたという安心感の方が大きかった気がします。その時に、人からのありがとうをもっと聞きたい!このように思ったのが辞めたキッカケだと思います。
留学の会社に転職いたしました。転職するときに考えたのが、人からありがとうを直接言われることであったり、人の人生に関わるような仕事をするという事です。旅行業が自分の潜在意識の中に残っていたのだと思います。しかし、旅行業のカウンターで相談などをしている姿はイメージつかなかったんですね。そこでたまたま、留学会社に興味を持ったんです。留学なら、カウンセリングもするし、人生を左右する重大な意思決定をまかされる仕事だなと感じたんですね。留学カウンセラーなら、その人の人生のお手伝いが出来ると思ったんですね。しかし、留学の会社に入るにはなかなか大変な道のりでした。面接の最後に残った会社が結局ご縁があった会社なのですが、それまでは全く箸にも棒に引っかからず、「もう後がない!」、そう感じて休みの日に池袋駅に行き、学生のふりをして卒業論文のアンケートに協力して下さいという感じで、学生100人にアンケートをとったんですね。
「留学にいきたいですか?」、「留学に行った事がありますか?」という留学に関する意識調査です。「留学に行きたいですか?」という質問に対して8割くらいの人が「行きたい」と答えたんですね。しかし、「留学に行ったことがありますか?」という質問に対しては、8割が
「行ったことない」と回答したんです。これはおかしいと思いました。この差を埋めるのが留学会社であって、ただ単に留学の書類作りが仕事なのではないと思ったんです。私は理系でデータ分析が得意だったのです、業界分析や顧客分析などして自己PRの資料作成を致しました。入社後、人事の方から話を聞くと、その資料が決め手で内定が決まったそうです。
これも、達成意欲の強さだったのでしょうか(笑)
メインの業務は留学のカウンセリングです。留学に行きたい人のカウンセリングを行い、その人に合った留学先を決めて行く業務でした。しかし、その会社では給与体系が成果主義だったんです。お客様から受注を頂けたら、その売上に対して給与がいただけるんです。そのため会社の中での競争は激しかったですね。カウンセラーという仕事は、営業という要素をもった仕事と後から気づきました(笑)ここの会社には約5年間いました。ここの会社でも様々なことを学ぶことが出来ました。特に、お金の大切さもそこで学ばさせて頂きました。電話をするのも、自分のお金でかけていたんです。テレアポも1日に何百件も掛けるんですが、基本的に一人一人が経営者だという視点なので、かかる経費はすべて実費で出していました。会社のパンフレットなんかもすべてお金がかりました。営業やお金の管理を始め、本当に様々なことを学ぶことが出来ました。そこの会社は辞めた理由としては、その時たまたま、フィジーに英語学校を作るというお話を伺い、今まで留学業界で培ってきた成果があるので、日本の統括をやらないかという話がきたんですね。その話に興味を感じ、この会社を辞めたんです。