前向きに明るく、逃げず、知ったかぶりせず
アブラハム・グループ・ホールディングス株式会社 / 高岡壮一郎
大学生の時の気持ちの延長線上に、起業がありました。旧来型の組織にいるよりも、新しい会社を作った方が、より社会に貢献できるなと思いました。
2004年当時、自分は30歳でした。2005年から日本は人口減少社会に突入し、社会構造が大きく変わります。結果として社会に歪が生じると。それが分かっていたので、新しい時代に対応する会社を創りたいと思ったのです。従来型の大企業は、恐竜みたいなもの。氷河期には小さな哺乳類が出てきて後に活躍したように、新しい時代に適応した新会社が必要というわけです。
ただ英語ができるだけではなくて、世界を大きく捉えて、潮流を理解して、目の前の仕事を理解できる能力があることだと思います。広い視野で、物事を見ることができる人が、グローバルで活躍できる人材ではないでしょうか。
苦労と思ったことが無いんですよ。性格が大雑把だからかもしれません。とはいえ、起業していると、逆境は頻繁にあります。創業時はマンションの一室からスタートしたので、面接に来てくれたアルバイトの子がドアを開けた後、唖然として直ぐに帰ったりしました。コピー機をリースしようと業者に頼んだら信用が無いので、親の連帯保証まで要求されたこともありましたね。ニュースメディアを運営していたらある記事が大物政治家を怒らせてしまい、ご本人から私の携帯電話に直接、「潰すぞ」とか苦情が来たりですね。今でこそ、フェラーリやトヨタなどの大手企業から広告出稿を頂いている富裕層メディアも、当初は全く売れなかっただけではなく、「たとえ、お金を貰っても、そんな新興メディアに広告を出したくない」と言われる始末でした。 でも、それは苦労ではなかったです。むしろ、そういう困難があるからこそ、それを乗り越えクリアしていく面白さがあります。
顧客満足を一番大切にしています。企業が発展していくには、顧客満足こそが大切だと思います。起業前に、三井物産系の会社と創業期の楽天が勃興期のEコマース市場で競争していたのをリアルに見ていました。楽天は大企業に、資金も人員もあらゆる面で負けていたのに、たったひとつ、顧客満足に対する強い意思が勝っていました。結果としてビジネスで勝ったのは、楽天です。「伝統」「資本金」「社員数」よりも「顧客満足への執着」がビジネスの成功を左右するのだと実感しました。