学生結婚が、人生の転機に
株式会社ECナビ / 宇佐美進典
友人に誘われた事がきっかけですね。コンサルティング会社を2年で辞め、転職を決意します。知人の会社はソフトウェアベンチャーだったのですが、営業・マーケティングの責任者として入社しました。流通チャネルの開拓、プロモーションに従事していて、具体的にはネットでのキャンペーン活動を主に行っていましたね。結局その会社の業績が悪く、1年で辞めてしまうのですが。
小渕首相の時代に、ベンチャー企業の育成のための助成金の募集があり、提案書を書いて申請したら1億円の助成金をもらえることになりました。でも、僕がつくりたかったのは、自分が社長業のみに納まる会社ではなく、社員みんなで価値観を共有してやっていくベンチャーだということに気がついたんですよ。当時で言えばネットスケープやヤフーのような、シリコンバレーにあるベンチャー企業のようなもの。自分たちでなにか世界を変えていくという志をもってやりたかったんです。
また、国から助成金をもらっている以上、提案書通りにシステムを組まなければなりません。だから、提案書を書いた段階では気付かなかったようなユーザーの意向に気づいたとしても、それを無視した形で製作を進めなければなりませんでした。
結局納品はしたのですが、会社はどうしようかと考えていた時に当時ネットエイジにいた尾関茂雄(現:Zeel代表)に出会いまして、世の中を変えるようなサービスをつくろうと意気投合してでアクシブドットコムを立ち上げました。
懸賞サイト「MyID」の企画・運営をしていました。運営を続けるうちに、懸賞サイトとしてはNo.1のサイトとなりました。
2005年10月ですね。会社名を変えるきっかけとなったのが、2004年の大きな事業転換です。2003年頃からアメリカで価格比較サイトが流行してきており、日本でも注目を集めだしていました。そこで、今後の事業成長も考えて、創業当初から運営していた「懸賞サイト MyID」ではなく、「価格比較サイト ECナビ」としてサイトを全面リニューアルし、翌年、サイト名にあわせても変更しました。
ネット上で販売されている商品の中から、ほしい商品を検索できる価格比較サイト「ECナビ」を運営しています。商品の価格比較だけでなく、オンラインショップや商品に関するクチコミ情報などをワンストップ提供しています。
2つあります。「ECナビ」はユーザーさんにより親しみを覚えてほしいとの理由から、ポイント制を採用しています。ポイントが溜まると、キャッシュバックがある仕組みですね。また一定のポイントが溜まるとユーザーに現金で還元されるので、直接各ショップで買うよりもECナビを通して買う方が得になるようになっています。
また、元々が懸賞サイトだった事もあるので、どちらかというと女性をメインターゲットに据えています。ほしい商品についての知識がない初心者ユーザーのために、購入の際のポイントを説明する「比較ガイド」を用意しています。
懸賞サイトはニッチで競争も激しく、今後の発展が難しくなる事は目に見えていました。一方で参入当初、価格比較サイトの競合は少なかったので、チャンスがあると思ったんです。当時、懸賞サイトが絶好調だった時期だったので、反対する声は圧倒的でしたが、今後の事業成長を考え、新しい事に挑戦するべきだと考えました。