次の世代に対して、ドヤ!と誇れるような起業を!
株式会社ウィズグループ / 株式会社たからのやま / 奥田 浩美
私の考えている事と相手の考えている事が、そもそも違うと認識しながら会話も、事業も、家庭の中の教育もしていることですね。だからといってバラバラな考えのまま放っておくのではなく、なるべく自分とコアの部分が一致していて、極力違う考えの方と付き合おうとしています。価値観が違うほうが、面白さが増しますよね。一つの考えにまとめることに意味はないと思います。
まずは、違う地域、違う世代の人と会う事ですね。私の娘は50代の友達がいるくらいです。私自身も、自分と違うバックグラウンドの人と付き合おうとしています。人間が考えを変える時って、場所を変えるか付き合う人を変えるかだとよく言われていますが、その通りだと思います。今になって感謝しているのは、父に連れられて三年おきに転校していたことです。違う考えの人とどれだけ会うかによって、自分の幅の広さが決まると思いますね。学生時代は、居心地の悪い場所に行くほうが良いですよ。時折、気乗りしない場所に行くことで成長できます。
男女平等で働ける仕事というのを考えた時に、両親と同じ教員というものがいいと言われ、日本の大学では教育学部で学んでいました。ですが、22歳の時に教員採用試験に受かった時に、その後の自分の進む道が見えてしまい、嫌になったんです。それで父と喧嘩して・・ 仕事か結婚かどちらを取るのか?とよく聞くのですが、一切迷ったことがありませんね。父親の影響だと思うのですが、働かないということは目をつむっていることのように思うんです。私にとって仕事とはそのような感じです。仕事熱心な訳ではなく、求められることをしているとその後にお金がついてくると思っています。特に仕事が好きなのではなく、必要とされることの方がすごく大事なんですよ。自分が必要とされることに結果的にお金が落ちてくることが多いから、お金が好きになれるんじゃないでしょうか。
私は女性らしさを活用できる分野での起業をしていないので、起業の際には女性であるメリットを特に発揮していないと思いますね。ITの中で技術者向けのイベントでは、はっきり言って女性であるメリットはゼロなんです。私の場合は、周りに女性がいないまま生きてきたので、女性に出世の問題などがあることに最近まで体感してきませんでした。4年前のAPECの女性会議への参加を通して、それが世の中の問題かつ自分の問題として気付けたことが良かったと思っています。
女性だからと物事を切り分けて考えない方が良いと思います。子育ての問題も女性の問題と捉えられがちですが、私はあえて男性に問いかけるようにしています。それは男性の意見を取り入れるという訳でなく、人間として女性、男性と区別をしない方が良いと思うからです。私は育児、介護、仕事との両立のことをよく聞かれるのですが、逆に男性にこのような質問はされないですよね。こういう両立の問題と言ったことは、男性、女性の問題ではなく、みんなで考えることが大切なんです。
そうですね。なので、私は女性の問題を考えるセミナーは女性のみの参加に限定するような形では、なるべく行わないようにしています。女性だけが聞いていても、男性の方が聞いていなくては意味がないんですよね。わたしたちは協力体制を作りたいのだから、男女両方がいなくてはいけないんです。男女共に変わるべきだと思っています。 今の人たちが社会に出る時は、育ててくれた両親や上司は30年前の人たちだと思わなくてはいけません。育てる親の方も、自分たちは30年後の人を育てているということを分からなくてはいけないと思います。私は娘を今の社会に適用するように育てているのではなくて、20〜30年後の為に育てています。今の時代、女性が苦労していると言われていますが、私たちは今、目の前にあることを重視するのではなく、その先の為にどう行動していけば良いのかを考えるべきだと思います。