「何もない」自分を受け入れる
株式会社Famarry代表取締役 / 藤井悠夏
もちろん活かされていることはたくさんありますが、正直に言うと、今では「起業するために就職する」という考え方に否定的です。活かされている部分はありますが「その経験がなかったら今がないか」といったら、そういうわけでもないと思っています。
私も最初に企業に就職した時は「起業するために力をつけよう」と思って就職しましたが、今では「力もついた分、癖もついたな」と思っています。あくまで道の一つという捉え方になりましたね。
私が担当していたゼクシィは、媒体としてもともと強いリーチ力を持っていました。なのでそもそも武器がすごく強かった。その上で様々なデータがある程度は揃っていました。いくらでも調理のできるデータがあり、それを調理した上で「こういう風にアプローチしていきましょう」とか「こういう風に成約率を上げていきましょう」と提案がしやすい環境にありました。提案の数がすごく大事になってくるので、結局は仕事量なんですよね。やり抜く意思が重要だったので誰よりも仕事はしていたと思います。
決断する際には、①やりたいと思える②自分の武器を活かせる③そこに大きな可能性があることを大切にしています。この3つが重なる一番濃い部分を選んで、自分が今やるべきことを決めています。現在はウエディングに注力していますが、もともとウエディングに強いこだわりがあったというわけではなくて、今のタイミングで3つが重なる最善の選択肢であると判断したんですね。
正直に言うとベトナムにいるときはずっとベトナムにいようと思っていましたし、シンガポールにいるときはずっとシンガポールにいようと思っていました。だけど外部要因や内部要因が変化することで、自分の力が最大限に活かせるところは変わってくるものです。最善の選択肢に従っていれば、決断をすることにそこまでの躊躇はないですね。
そこは主観的な部分はありますよ。それを自分の武器だと言い切る意思、自分のやりたいものはこれだと言い切る意思が大事で、そこまで客観的なわけではないですね。「これが私の武器です」ということに正解・不正解はなくて、それを自分から正解にしていくしかないんです。