「何もない」自分を受け入れる
株式会社Famarry代表取締役 / 藤井悠夏
「自責」という考え方はすごくいいなと思っていて、何が起こっても一旦自分のせいにしてしまえば、どんな状況であったとしても事態の改善がしやすいです。例えば、パソコンが壊れたとして、パソコンが壊れたことだけを原因に落とし込んじゃうと何も対策が打てなくなりますが、それすらも自分の責任と考えるなら「自分がこうしておけばよかった」と対策を考えられます。
キラジョを運営していた時は女子大生向けにイベントを開催していたのですが、結構ドタキャンも多かったんです。女子大生がドタキャンしまくることを、ただ女子大生のせいにしていると運営が回らなくなります。そこで、「ドタキャンを防ぐために自分にできることはなんなのか」を考える、すると改善に繋がります。なので大学生時代から「うまくいかなかったとしても一旦自分のせいだと考えて、じゃあ次どうすればいいのか」という考え方は大事にしていたと思います。
リクルートを辞めたあたりからずっと挫折は続いている気がします。ですが、これまでたくさんの挫折を味わってきてよかったなと思いますね。人の痛みが身にしみてわかるようになるし、自分にとってすごくプラスだと思います。
「自分は大した人間じゃない」と一回思うことが大事かもしれないですね。私は、「自分はすごい」という根拠のない自信と「自分にはなんにもないんだ」という考え方が同居しています。 挫折を感じた時に、乗り越える方法は「自分って本来なんにもないんだ。むしろマイナスかもしれない」と思うことかもしれないですね。
挫折を当たり前と捉えることで「じゃあそこからどうするの」と挫折を真摯に受け止めると、直すべきところも見えてきます。私は「死ぬことがない限りは人生そこまでのリスクはない」と考えていて、死なない限りは何回挫折してもいいんじゃないかと思っています。
自分はゼロなんだけど、だからこそ伸びしろしかないし、自分がやればやるほどできることは増えていくということを考えて成長していくしかないのかなと思いますね。
インプットをすることはもちろん大事なのですが、アウトプットをしないとインプットって価値が出ないんですよ。だからまずは、なんでもいいので「これをやりきろう」と思えるものを見つけましょう。例えば私でいうと、学生時代に300人を呼んでいつまでにイベントをやると決めてしまいました。「ちょっとこれは無理かもな」と思ったことに取り組んでいくことで、乗り越えた時に自分の自信にも繋がります。
こういったアウトプットを行うためにインプットが必要なんです。なのでインプットは本当に手段でしかなくて、インプットを積み上げてくという考え方はあまりオススメしません。
自分の中でやりたいものができたら、「できないかも」と思うぐらいのスケジュールと数値目標を設定してあとはひたすらやりきる。その経験を経ていかないとインプットの意味も薄まると思いますね。