「世間をあっと言わせるビジネスを創る」
株式会社オークファン 代表取締役 /武永修一
起業してみたいと思うのであれば、とりあえず会社を興して名刺を作ってしまえば良いと思います。
私の強みは何でも気軽な気持ちで始められることです。それこそ気軽に起業し始めましたが、今でも全然後悔していません。
起業する前にMBAを取りに学校に通う人もいますが、私からすれば、MBAがあろうと無かろうと経営でうまくいくかどうかはあまり関係がないように思っています。必要があればMBAを持っている人を雇ってしまえばいいだけの話でもありますしね。自分は何が少しでも得意かを考えて、受託、ブローカー、コンサルティング、何でも良いから起業してみてください。そのビジネスで自分がご飯を最低限でも食べていけるレベルになれば、その先何をするかを自由に考えることができるようになります。
そのためにも「自分はどういう人間なのか」をきちんと分析してみてください。何でも一人で背負いこんでビジネスをする必要はありません。苦手なことや出来ないことは誰か得意な人を見つけて頼めば良いのです。なるべく自分が得意なことに専念できるようにしましょう。
私の場合、個人で事業を始めた最初の1年で唯一後悔しているのが、自分の強みである目利きに専念できる環境を作らなかったことです。「組織で動く」ことを最初のころから意識して、自分の強み以外の部分は他のメンバーに任せられるようになると良いですね。
あとは、本を読むのも大事ですが、起業で成功するためにもっと重要になるのが「イケてる先輩起業家をどれだけ捕まえることができるか」です。先輩起業家たちは大抵の場合、自分のやってきたことは既に経験済みなのです。私も過去に社員の数名が離れていき、かなり焦ったのを覚えていますが、先輩起業家に相談したところ「良くあることだよ」と何事も無いかのように諭されたものです。そして「どう対処すれば良いか」を具体的に教えてもらいました。
学生のみなさんは今のうちに諸先輩方から気に入ってもらえるような振る舞いを身につける練習もしておくのもとても有効だと思います。優れた先輩起業家も、さらに優秀な先輩方から教えをもらっているものです。そういった関係図が脈々と続いているものだと私は考えています。尊敬できる起業家に気に入ってもらえるようになれると良いですね。
誰もやっていないユニークなことをしたい人と働きたいですし、そういった人が弊社では活躍できると思います。スキルアップしたいという向上心のある人で、一芸に秀でた人はぜひうちに来てください。弊社の社員はみんな優秀ですし、職人気質な人間が多いです。どちらかというとコミュニケーションが苦手なタイプが多いかもしれないですね。私自身が今申し上げた通りのタイプの人間なのですが、やはり会社というのは人が増えていくと社長像に似た人が集まりやすいものですね。
私たちの行うビジネスは一般の人から注目を受けづらいビジネスモデルです。しかし、だから私は仕事をすごく楽しく感じているのです。
このビジネスを10年、20年と行なう中で、何百億、何千億という規模の売り上げになるのが私にはイメージできているからです。世の中から全く注目を受けていない中で、ある日突如として世間を沸かせる日が来るのを確信しています。
このイメージを持つ上で、私にはベンチマークをしている会社が2社あります。MonotaROとエムスリーです。現在エムスリーの時価総額は1兆円程もあり、平均年収は1,000万円を超えていて、社員数は少ないままにビジネスを維持できています。
MonotaROはアマゾンのような事業モデルなのですが、細かなネジなどを扱っており、BtoB型の他にはない通販ビジネスになっています。株価が4,000億、社員数もすごく少ないですし、売り上げの10%以上の利益を出している優れたビジネスを展開している企業なのです。両社はともに非常に優れたビジネスモデルを展開しており、サイバーエージェントやDeNAにも見劣りしない企業にも関わらず、世間ではほとんど注目されていないのです。
私は、弊社が行っている事業もベンチマークしている2社と同様であると考えています。
今後時代が進むと起業家が増えていき、個人事業主の数も多くなります。起業家と個人事業主を今のうちに抑えておくことで、誰も参入できないビジネスを作り上げることができると考えています。しかも、弊社は情報と商品を扱っている会社ですから、グローバル化しやすいというメリットもあります。日本で中古車のオークションを行なっているUSSという会社がありますが、購入者の4割は外国人です。パキスタン人やロシア人、アフリカ人たちです。日本で人気のない商品も海外では高値で売れて現役バリバリで走り回ることになります。今から車のオークションでUSSに勝てる会社はないでしょう。このUSSの展開しているビジネスの現状はそのまま将来のオークファンにも当てはまると考えています。
オークファンという事業を引き継いで以来、ビジネスに対する考え方は何も変わっていません。「中長期的に儲かる、サステナブルで、かつ世の中に必要とされる事業」を行うことが私自身のビジネスに対する考え方です。世の中で話題になるようなビジネスよりも、誰も知らないけれど世の中に貢献できて儲かるビジネスをやりたいと思っているんです。オークファンを通して今も実現できているという自信がありますし、そういったビジネスを見つけるのが得意なので、これからもこの軸はブレないでしょうね。
誰もやらない事を着々と積み上げ、突如世間をアッと言わせるようなビジネスこそ私の人生そのものなのです。
本記事の作成者:佐賀 智之
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