大企業から一転アルバイトで、確かな最小単位の価値とチャンスを見つけた起業家
株式会社クラシック 代表取締役 / 坂井裕之
電話営業のアルバイトを辞めてからは、何百件も営業先へ実際に足を運んでヒアリングをおこなっていました。そうして一つずつ現場で疑問点を解消しながら事業を行うようにしていたため、サービスが受け入れられないとかいう、そもそもの部分で想定外の事態になることは全くありませんでしたね。多くの方に考え方は受け入れられました。
思惑通り行かなかったことは、自分自身で運営する事業体を始めるという経験が初めてだったため、口座開設に1ヶ月もかかってしまうことなど手続き面で苦労しました。あとは電話線を引いていなかったために怪しまれてしまって仕事を断られるということがありました。それ以外にも売掛け回収とか、たいへんなことはたくさんありますね。
自分で仕事を作れる人です。頑張れば頑張るほど労働時間が増えてミスも増えるものですが、それを厭わず頑張り続けることのできる人と一緒に働きたいですね。頑張っていてのミスはまったく咎めないと決めています。そのためにも、仕事を工夫しているのが楽しい、一緒に働く仲間が好き、借金を返さないといけない、理由はなんでも良いのですが自分から仕事を頑張れる「内燃機関」を持っている人を求めています。特に「笑いながら終電まで残っている人」であれば最高ですね。(笑)。働き方の標準というのは、いろいろ厳しくなってますし、もしかしてブラック?と思われるかもしれません。でも、いつでも成果や感謝の声は、頑張った人間にしか与えられなくて、そのために手段がおかしくなってもしょうがない、それが自分らが社会にいられる最低条件だったんだと思うしかありません。手段を最適化することが目的になるような会社にはしません。少なくともぼくらは、まずはお客様やユーザーに、心からありがとうと言われる実績を、どんな苦労をしてでも積み上げていくタイミングですから。
「好きなことに突っ込む」ことじゃないでしょうか。「自分が面白いと思えることを信じられるかどうか」がすごく重要です。僕は過去に人に「面白がられよう」と頑張ったことがありますが、結局は長続きしませんでした。人は自分が好きだと思えることでないと、突き詰めて頑張ることができません。そして、それを人に伝えなくては、仲間もお客も出来ませんし、そして同じことを面白いと思っている人は五万といます。自分の好きな何かを「誰よりも面白く伝える」ようになれると良いと思います。
事業的な部分と社会的な役割でいうと、両方反映している言葉は「私に正しい選択」という言葉です。私はクライアントにもユーザーにも「自らが正しいと思える選択」の手助けを今後もしていきたいです。例えば、2つの家でどちらを買うか迷っているときに、どちらかを選ぶためにも当然情報が必要になります。私たちはユーザーに建築物本来の価値を正確に伝えられるようになることを目指し、クライアントからも今後ますます喜ばれる媒体を作っていきたいと考えています。
私たちの掲載ターゲットとなる建築家の人たちは現在1,500人限度だと考えています。これから私たちの方でターゲット先の拡大を狙った活動も行なっていく必要もありますが、さまざまな分析をした結果、ひとまずは1,500人が現状のひとつのマイルストーンだと考えています。
ビジネスをやりたいだけなら大きな会社、古い会社でもとにかく、続いている会社に行けば良いと思います。会社にいるのって、素晴らしいことです。しかし、いずれ「会社ではなくて、自分の価値ってなんだろう」と考えるときが来ると思います。その時に起業を選択肢に入れた貴方に伝えたいことが1つあります。
僕が起業、仕事で一番大事にしているのは、「自分の価値を発揮できた、最小単位の体験は何であるか」ということです。 自分が誰かにしてあげたことで「ありがとう」と言われるような、人に何かを施して感謝される。その感謝が「お金」であれば一番わかりやすいのですが、それがビジネスを行う上で、あなたの最小単位、つまり核となる価値となります。
自分の価値を感じてもらえた最小単位が「いくら」になり、そして「何個」つくることが出来るのか。これが一番わかりやすい売上のデザイン。そうしていくなかで最小単位が少しずつ大きくなってくスピードはどれくらいか、何を身につけて大きくしていくのか。人数、単価、回数の立方体の体積が売上である、というのはだいたいのビジネスに当てはまります。一番最小の粒を常に意識し続けていくと自然とビジネスを作れるようになっていくと思います。
マーケット把握でもいっしょです。お空から業界を見た分析だけでは、思わぬところでサービスがつまずきます。この世の中のどこかの街のだれかが、対象とするサービスや課題をどう体験しているか、の一番小さい粒の現実に向き合うことです。それが私がテレアポの1コール1コールや、チラシ配りの1軒1軒からビジネスの種となるファクトを掴めた理由です。100万人のマーケット、ではなく、1人×100万粒のマーケット。これは似て非なる捉え方です。
親に肩たたき券を使ってもらうことも立派な最小単位の価値になります。起業を志す人たちはぜひ意識していってくださいね。ぼくも頑張ります。
本記事の作成者:佐賀 智之
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