ソーシャルベストアンサーで、Googleを抜く
株式会社オウケイウェイブ / 兼元 謙任
塗装会社での折り合いがつかなかった事に加えて、デザインチームでアメリカに事務所を建てようという話が出てきたからですね。当時、大学時代のデザインチームの活動をより活性化させる為にチームで国際コンペなどに参加することを始めていました。そこで、デザイン賞にたびたび入賞するようになり、それなりに実績を積み重ねていました。
そんな中、ソフマップの社長である鈴木慶氏(※当時)と出会い、「君の所のデザインチームで、アメリカにデザイン会社を作らないか」と誘われたんです。もちろん私としてはデザイン事務所を持つ事が夢だったので、快諾しました。しかし、いざアメリカにいくとなると躊躇するメンバーが出てきたんです・・・。結局デザインチームがバラバラになってしまい、中止になってしまいました。私はアメリカにいくつもりで仕事も辞めていたので、当然仕事先を見つけなければなりません。
そんな中、更に悪い事が重なり、妻から離縁を迫られたんです。そのまま鈴木さんを頼って、「仕事を貰ってくるから」と言って、逃げるように上京しました。
ソフマップには私の仕事がありませんでした。仕事もないだけでなく、家もない。失意の中で、東京で一人ぼっちでホームレス生活が始まります。
3ヶ月ぐらいは残飯などをお店から貰って食べたり、東京駅周辺や、青山の公園で寝たりして暮らしていました。いつもトレーナーにダウンジャケットを羽織って、下はジーパンとその下にズボン下を履いて、ダンボールの上で寝ていました。プライドなんてものは無いですよ。いわゆる「エサ取り」だって望んでやっていましたから。
それでも人生を諦めなかったのは少年時代の屈辱的ないじめを味わったからだと思います。「生きていても仕方ない」「自分に存在価値はない」という思いを繰り返したら、生きていさえすれば、後はもうどうでもいいという気持ちになるんですよ。
全くわからないです(笑)。イメージは持っているんですが目標にはしませんね。実際僕は社員に目標を言わせる事もしません。「どうしたい?」と聞く事はあります。人を動機付けるのは「数字」ではなく「映像」なんです。だからシミュレーションには力を入れますが、日付をつけたり数字化するとできなかったり小さく収まったりして良くないんです。
ホームページ制作の仕事を紹介された時ですね。ウェブデザインはまったくの未経験だったのですが、仕事を選んでいられる状況ではなかったので、その場は引き受けることにして、作り方は引き受けた後で、知り合いに聞いて何とか間に合わせる事にしました。 それでも分からないことは、インターネットの掲示板で質問したのです。ところが、掲示板に寄せられたのは、「もっときちんと質問しろ!」「過去のレスを読め!」という冷たい回答ばかり。「それが分からないから質問しているのに」と言いたかったのですが、掲示板にはコミュニティー特有の雰囲気があり、新参者がおいそれと気軽に質問できる場ではなかった。「初心者でも気軽に質問できるコミュニティーがあれば・・・」。それがQ&Aサイトを思いついた切っ掛けです。
Q&Aサイトとは、色々な質問、相談、それを匿名で、気軽に質問でき、手厚い回答がもらえるwebサイト。もし、私がいじめられていた頃に、人が教え合う、助け合うシステムがあったら、きっと救われたのだろうな・・・そう思ったんです。
このアイディアを思いついた時に、私の使命はこれを形にして世の中に普及する事だ!と、身体中に電流が走った事を覚えています。小学生の時にいじめにあった事、ホームレスとして不遇の時代を過ごした事・・・その全てが、Q&Aサイトを世の中に送り出す為にあったんだと考えました。