「小さな欲求」を埋めていけば良い
株式会社meleap / 福田浩士
東京大学大学院卒業後、株式会社リクルートに就職。2014年に独立し、株式会社meleapを設立。「HADO(ハドー)」という名のARスポーツを開発。空間認識技術やヘッドマウントディスプレー、モーションセンサーなど、ウェアラブル技術を使用した「HADO」は、体を動かし、仲間と協力しながら対戦する新しいゲームの形として、各地でのイベント開催や、メディア出演など、多くの注目を集めている。KDDIムゲンラボ第7期にも参加。ヒザがガクガク震えるほど世界を面白くする!をテーマに掲げ、活動を行う。
【株式会社meleap ホームページ】
昔から、体を動かすのが好きでした。人と話さずにひたすら一人でアスレチックなことをしていました。あとは、SFやかめはめ波が好きでした(笑)ジャンプをすることでもなんでも、好きなことをひたすらやるのは良いことだと思います。
僕はもともと、一人でなにか黙々とする方で、人と話すのは苦手でした。でも、大学の時は、環境が変わったことで、人との話し方も変わり、外に出て行くようになりました。僕は、明治大学の工学部で、建築家を目指していたのですが、その時は色々な体験をしました。デザインの勉強をする傍ら、たくさんサークルに入り、ビジネスコンテストにも出ました。ビジネスコンテストを通じて知り合った有機農家の方から依頼を受けて卵を売る、という事業も起こしました。その時に、様々な卵を開発したり、卵かけご飯を研究したり、キャラクターも作ったりました。その時の経験は、後にまた起業する時に役に立っています。というより、役に立たない経験はないと思います。
そして、大学三年生の時に、「建築で解決できる問題は限られている」と気づきました。だからこそ、建築関係でビジネスはできないかと思いビジネスコンテストに出たりもしましたが、最終的に「建築という枠にこだわること自体がおかしい」という結論に辿り着いたんです。
色々考えた末に、身体の拡張をしたいという思いがあったので、それで行こうって決めましたね。その例がかめはめ波を打つ。
身体の拡張というのは、自分の身体と定義するものが増えることを指します。例えば、時計を腕にしていると感覚的にそれは自分の一部になります。それは一種の身体の拡張だと思うのです。そういうのがもっとたくさんあると思っています。この部屋全体を自分だと定義することもできる。街も。その気になれば、今この瞬間に月に行くこともできるだろうし。自分という身体をもっと拡張することができるのではないかと思うのです。なので、それをもっと追求したいです。そうすることで、自分の身体を動かすように、世界を動かすことができると思います。もしかしたら、瞬きをするような感覚で、家を移動させたり、一瞬で世界の裏側に行けたりする。物理的に当たりまえとされていることを、再定義してみたい。これは僕のミッションでもあります。