『サイバーエージェント子会社社長の告白』
【第17弾】
CA Tech Kids 上野社長
「 自ら“変化を仕掛ける”人間に」
『サイバーエージェントのグループ会社の社長インタビュー連載企画:第17弾』
株式会社CA Tech Kids 上野 朝大
「世界中の子どもたちを“テックキッズ”にする」ことです。
“テックキッズ”という言葉は、我々の造語なのですが、
それは、「テクノロジーを武器として、自らのアイデアを実現し、社会に能動的に働きかけることのできる人」という意味です。
手段としてプログラミングを使いこなしながら、自分の興味のあることを突き詰めていったり、困っていることを解決していったり、そういうことができる子供たちを“Tech Kids”と総称しようということです。
世界中にいる小学生の推計が約7億人として、その100人に1人、1%でもいいから、”テックキッズ”が生まれてくると、世の中に大きなインパクトを与えられると思っています。
それは、人類全体のレベルアップもつながるはずです。
今、「デジタルネイティブ」という言葉が普及してきているのと同じように。
将来、“テックキッズ”という言葉が頻繁に使われるような時代が来ると嬉しいです。
例えば、
Tech Kids Schoolの卒業生で、文学に関心のある中学3年生の女の子がいるのですが、
彼女は、小学校4年生から5年程プログラミングを学んでいるので、手段としてプログラミングを使い自分の興味の探求を実現しています。
現在彼女は、ヒットした映画作品の脚本を言語処理で解析し、ヒットする法則性を探す、という研究に取り組んでいます。
彼女は、文学という自分の興味のあることに対して、手段としてプログラミングを活用しているのです。
手段として、文献研究ではなく、プログラミングを使って新しい観点から文学を追求している。
いわば「文学Tech」をやっているわけです。
このように、「手段としてプログラミング」の力を持つことで、イノベーションが生まれる環境をつくることができます。
「自分の好きなこと×Tech」でイノベーションが生まれるというわけです。
昆虫が好きな子は、「昆虫Tech」をやるかもしれないし、
電車が好きな子は、「電車Tech」をやるかもしれません。
私たちが一番やりたいのは、手段として“プログラミングを使いこなした経験”を小学生の時にインストールしておくということなんです。
そうすれば、それ以降の人生においても、ことあるごとにプログラミングを手段として有効に使おうという姿勢が生まれるはずです。
「自ら“変化を仕掛ける”人間」になってほしいと思います。
今は、変化の多い時代で、歴史の変わり目にいると思います。
今まで当たり前だと思っていた「常識」が、数年で変わっていく時代です。
例えば、
仮想通貨も、その最たるものです。
「お金というのは、お札やコイン」という当たり前が、ITの技術によって、変わってきています。
他にも、様々なものの「当たり前」が変わってきている時代です。
そして、変化の激しい時代だからこそ、そこには多くのチャンスがあると思います。
「プログラミング教育」という言葉も5年前は、まだ世の中に浸透していませんでした。
ですが、今では、多くの人が認識しています。
これは、大げさな言い方をすると、“社会は変えられる”ということです。
変化を起こされた側になると、居心地が悪いこともありますが、
変化を仕掛ける側になると、とても面白い。
ぜひ、みなさんには、変化を仕掛ける側になってほしいです。
本記事の作成者:黒田訓英