「人」と「人」との「間」にストーリーは生まれる
株式会社リトルクラウド / 神原太郎
『頑張っている人たちが報われる社会を創る』会社、株式会社リトルクラウド代表取締役社長。
企業と協働で自分たち学生発案の某不動産系Webサービスを立ち上げた他、学生団体などでの活動を経て、2013年2月20日に株式会社リトルクラウドを設立。
現在はソーシャルメディアの運用コンサルティングを行いながら、「WEBでの『人間性』の伝播による選択」をもたらす自社メディア『Fave』の企画開発中。
私たちは「頑張っている人たちが報われる社会を創る」という理念を掲げています。「頑張っている人たち」というのは「努力している人」という意味ではなく、「誠心誠意自分の仕事やお客様と向き合っている人」という解釈です。これは前職で某不動産系のポータルサイトを立ち上げていた際に、不動産業界という、少しネガティブなイメージを持たれる方が多い、とてもアナログな業界に触れた時に生まれたものでした。ぶっきらぼうな人なども多い業界の中で、とある交流会に参加させて頂いた際に、そこに居た方々がとても素敵な人たちで。そこで、「どんな業界でも真摯に人と向き合える人たちはいるのだな、ならばその人たちが勝てる世の中を創りたい」と心の底から想ったのがきっかけでした。
今はそんな想いを叶えるべく、 取り組んでいる「『人』を基軸にした新しいタイプの自社メディア」の立ち上げをする傍ら、ソーシャルメディア運用のコンサルティングを行っています。ソーシャルメディア運用コンサルを行なっているのにも大きく分けると3つの理由があって、1つ目にメディアの立ち上げのためにたくさんの人たちに会わなければならないため、2つ目にソーシャルマーケティングがそのメディアのカギを握っているのでノウハウをもっと貯めたいため、3つ目に資金繰りをしないともちろんつぶれてしまう!(笑)といったことが挙げられます。
一言で言うと、「自分がよりよくすることで、他人をよりよくする」という自己理念です。これは自分がより満足、より成長、より役割をこなすことで、周りにもそうしてもらえるという考えです。
「満足」についてたとえるなら、スターバックスの店員さんが満面の笑みでコーヒーを差し出せるのは、誰よりその店員さんがそこで働いていることを誇りに思っているからでしょうし。「成長」で言えば、「切磋琢磨」という言葉通りなら、どちらかがそのきっかけになっているはず。ならばそのきっかけは自分でありたいと考えます。 そして、「役割」で言うと、例えば、小学校の掃除の時間なんかに、掃除してない子から「掃除しろよ」って言われたくないじゃないですか(笑) なので自分が一番やります。
「満足」「成長」「役割」という三つの軸。これを企業に落とし込むと、「自分たちがよりよくすることで、社会をよりよくする」と考え、私が最初に勤めた会社が人材系ベンチャーだったこともあり、組織創りに強い関心を抱きました。むしろ、この想い、つまり目的を追求したかっただけで、「起業したい」という考えは、未だに一度も抱いたことはないです。ただ、いわゆる想いの具現化の「手段」ってやつですね。
1年以上前、そんな想いを抱えた私も一人の就活生でした。4社だけ受けていた内の1つ、某IT企業に内定をいただいた際に2つ言われたことがあって。1つは「君組織創りがやりたいんだろ? 今のうちは1000人から3000人に拡大するフェーズだ。こんな成長している企業は他にある?ないだろ?今人事として入って見ておいた方がいいんじゃないか?」というものでした。そして、もう1つが「今決めないでいつ決めるの?」というもので。その企業は内定承諾猶予期間が2週間しか与えられなかったのです。もともと、その企業が第4志望であり、他に第1志望があることを伝えていた私は、その結果を待ってから、判断したいと伝えました。すると「君はどうせ、某L社も某R社も受かるよ。仮に受かったとして、2か月うちが待っても来ないでしょ?だったら今決めればいいじゃない」と。確かにその通りで (笑)
その次の日だけ、その内定先企業に行くだけの理由を感じていたのですが、その次の日一転することになります。 そもそも、拡大を見るのであれば「数字上」でしか見られない大きな組織の人事などではなく、「肌」で感じられる組織創りがしたい。そしてもう1つ、「今決めないでいつ決めるの?」は私の心にとても刺さっていて。仮に30歳になった時、家族を抱えて、年収1000万とかであったとして、それを投げ出すリスクと、今たかだか新卒採用のキャリアを投げ出すリスク。どちらが小さいかなと考えた時に、圧倒的に後者の方が小さかったのです。だったら、今から自分の信念を貫き、想いを具現化したいと起業を決めました。
最初は反対されましたよ(笑)某IT企業に入社しそうな気配を一瞬見せていた時も、「もう少ししっかりした(安定した大手企業に、という意味だと思います)ところに・・・」みたいな反応でしたから、ましてや起業だなんて。でも、それを言うのも両親が「本当に太郎に幸せになってほしい」と想うからなのだなと気づき、涙を流しながら「どんな道を選んだとしても、その道を選んだことで自分が幸せになれた時、それが何よりの親孝行なのだと想う」と伝えました。
最初は「今年の成果で見せてくれ」と言われて。その時立ち上げていた某不動産系のポータルサイトで、業界紙に顔と名前で載ったり、大きな賃貸関連のイベントでセミナー登壇させて頂いたりする中で次第に認めてもらいました。秋以降、学生関連のイベントに登壇させて頂いくようになったあとは、「高いビジネススクールに通わせるつもりで見守る」と言ってもらいました。理解こそしてもらっていますが、共感をしてもらうにはもっと成果を出していく他ないでしょうね(笑)