「人」と「人」との「間」にストーリーは生まれる
株式会社リトルクラウド / 神原太郎
全くそんなことはないですね(笑)そもそも「『学生団体』をやりたい!」というのも同じく考えたことがなかったのです。全然思った方向に進まない人生ですよね・・・!
そもそものところはキャリア教育に対する強い想いが発端でした。例えば、就職活動において今の大学3年生は、「働くって何?」「仕事って何?」と、もっといくと「生きるって何?」「自分って何?」とぐるぐると考え込みます。それって、価値観ができあがっていないからだと思いましたし、その状態が生まれること自体がひどくナンセンスな事態だと感じていました。
でもそれは戦後以降「言われたことだけやれればいい」といった日本の教育が生んだ事態だと考え、またその現状を政治や民間企業が変えられていないのだと理解しました。ならば、まずは学生が学生のために小さなことから、雪玉を転がし始めることから、仕掛けていけばいいと考えたのです。それが3年後、5年後、企業や行政と雪崩でも起すことができるようになれば、と。
学生団体Answerは、私がその一連の決意をする前にインタビューを受けた団体でした。その団体の活動が、ロールモデルになるような学生の記事を発信することであり、それが実は自分で考えたことの一部だったのです。「学生から小さな雪玉を」というメッセージングのためには「学生団体」という組織形態が望ましいと考えたため、Answerの代表に協力を求めようとしたところ、「だったら、うちのリソースを使って好きにやってくれよ!」と打診されたのです。特に自分で立ち上げたい!といったこだわりはなかった私は、ほぼ次期代表として学生団体Answerに加入となりました。
人生のターニングポイントは大学2年の冬ですね。それまでの私は、他のところは真面目な割に、「生涯音楽で食っていきたい!! サラリーマンなんてクソだ!社会の歯車になんてなりたくねえ!」と大口を叩き、父に「中二病なの?(笑)」と笑われていました(笑)でも事実、累計200曲ほどの曲作りをしていたほどだったんですよ!
でもある時、「そもそもサラリーマンをしたことがない自分が、サラリーマンを否定していいのだろうか?どうせならやってみてから否定した方がいいのではないだろうか?」とふと思い立ち、ベンチャー企業に営業のインターン生として飛び込むことにしたのです。
インターンを始めたことで人生が180度ガラリと変わり、自分の視野の狭さを改めて知ることになります 。主にベンチャー企業相手の人材サービスだったので、いろんな企業の社長さんに会い続けることもできました。多様な想いを持ち、意思を貫く経営者の方々にお会いできたその時の経験も、今の「組織創り」への想いに少なからず影響を与えているのだろうと感じています。そこまでは、たまたま飛び込んだだけで、どこにでもいるごく普通の学生でした。
そうですね、私からは起業はあまり勧めません。なぜなら、事業を立ち上げるだけであれば既存の企業でもできますし、わざわざリスクをとって、面倒な書類作成やら何やらをやる理由がないですからね。ただ、もし「貫きたい信念」と、「具現化したい想い」があるのであれば、ぜひ一緒にチャレンジしてほしいと想います。
内定をいただいていた企業に入っていれば1年目の年収は5倍以上でした(笑)それに今の道よりは少なからずリスクのない状況だったことには間違いありません。起業は周囲からの反対やお金の問題もあると思います。その全てを背負う必要は本当にあるのかどうか。ことあるたびに「本当に起業する必要があるのか?変に意地を張ってはいないか?」と自問自答してきました。その結果、やはり想いを具現化するには「起業」しかないと想ったから、私は今に至るのです。
起業は「腹を括った」人なら絶対に挑戦すべきだと想います。まずは自分の腹を括ってから「起業」という言葉を発してもらえるといいのだとも。