フリーランスは「魔法使い」
ITジャーナリスト / イケダハヤト
確かにそうすれば、単純に年収は増えます。しかし、お金を増やしたいわけではありません。社会貢献したいという思いがあります。しかも、プロボノをすることによって、様々なコミュニティに属することができ、セーフティネットを獲得することもできます。
その通りです。今までは、「会社コミュニティ」に依拠する人が非常に多かった。しかしながら、ソーシャルメディアの台頭により、今までの枠組みを超えてコミュニティに属することが容易に可能になってきました。それは、地域コミュニティだったり、趣味コミュニティだったりします。私のプロボノの活動でいうと、問題解決コミュニティです。
コミュニティへの所属欲求は、一見利己的に見えます。しかし、利他的な行為をしないと、そのコミュニティに入ることはできないんですね。だから、コミュニティに入るために、人や社会のためになることをするので、必然的に社会は良くなります。
「万が一、会社がつぶれたらどうするか?」という問いに対して、答えを持っていない場合は、個人の軸が形成されていない状態だと思います。それを、解決するヒントにコミュニティがあると思います。
NPOのマーケティングに特化したNPOは作ってもいいと思っていますが、これもお金のためではありません。今は、プロボノは市場を作る時期だとも思っていますし。起業するにしても、しっかりとした問題意識を持っていないといけないと、多くの起業家と接してきて思います。
それが全てにおける源泉になっていますね。問題意識をもって動いていれば、「人」も「お金」も「リソース」も自然と集まります。私のブログも、問題意識を持って書いているので、同じことが起きていると感じます。
実際に、私のブログのタイトルを「NPOにマーケティングの力を」というタイトルに変更した時期がありました。すると、大企業のCSR事業の担当の方から話をいただいたり、アポ依頼がきたりしました。当時私はなにも持っていませんでした。しかし、想いを語ることで、ソリューションを持った人が集まってくれたのです。
本来、仕事の在り方もそうあるべきだと思います。しかしながら、今の日本人の多くが向き合っている仕事は「既に満たされているニーズをさらに満たす」ことに忙殺されている気がします。けど、それでは世の中が変わらないと思います。よろしければブログを参照してください。(http://www.ikedahayato.com/?p=5180)
問題意識をもって、それを解決するために仕事をすることができれば、仕事にやりがいも感じるし、おもしろいと思います。
魅力の前に、注意点があります。それは、やはり「問題意識」です。問題意識がないと、ただの下働きになってしまうことがあります。問題意識を持たずにフリーランスの活動をするくらいなら、やらない方がいいと思います。
それを踏まえた上で魅力を語るとすれば、色んな組織に関わることができるということです。それは、フリーランスの特権だと思います。
起業家とフリーランスの違いを私は次のように解釈しています。起業家は、「自分より大きなモノを、仲間と共に成し遂げる」人です。そして、フリーランスは「魔法使い」です。魔法使いのように、杖を一振りして、組織を良くするようなことができる人だと思います。
問題意識を抱けるように努力することだと思います。抱くために、2つの行動をすることをお薦めします。
一つは「NPOの活動に参加すること」です。彼らは、もの凄い問題意識を抱えて、仕事に取り組んでいます。被災地支援のNPOも、同様です。1ヶ月程、彼らと共に働いてみると、こういう働き方があるんだと知れて良いでしょう。
もう一つは、「人とたくさん会う」ことです。さらに言えば、起業家は最高のターゲットだと思います。ビジネスとは、社会課題を解決し、その対価としてお金をもらっているモノです。だから、起業家はもの凄く問題意識を持っているんですね。それを、本人に聞くことで、課題発見能力が身につくと思います。
頑張ってください!
自分が生きている中で感じる「違和感」を感じることがあると思います。その瞬間を大切しにしてください。そこには、大きな社会課題があるかもしれません。