フリーランスは「魔法使い」
ITジャーナリスト / イケダハヤト
はい。「ブログ」はオンラインのツールですが、ブログを通じて、人に会えたのが大きいです。「会ってください」と言われることが増え、オンラインからオフラインの出会いができました。前職のベンチャーの社長も、ブログの読者で、一緒に焼肉を食べに行ったのが始まりです。
学生もTwitterやFacebookというツールがあるので、活用してたくさんの人に会うといいと思います。
私が入社する際に、自分に掲げたミッションは「ソーシャルメディアを社会に広げること」でした。
実際には、大企業のコンサル業をしました。Facebookページの運用や活用法をアドバイスしていました。しかし入社から半年経って、世間を見渡すとソーシャルメディアが社会に広がっていたんですね。自分のミッションが、自然と達成されていたんです。
一方で、仕事を進めていくうちに、新たなミッションも生まれていました。それは「NPOにマーケティングの力を与えること」でした。とてもお世話になり、感謝の気持ちもありましたが、次の自分のミッションを達成するために、会社を去ることを決意しました。
やはり私は生まれつき、価値のあるモノが社会に伝わっていない現状を、許せないんです。NPOはとてもいいことやっているのに、社会的に伝える能力が備わっていないことが多いです。そこまで、手が回っていないとも言えます。
それを伝えるのが自分のミッションです。自分のミッションを達成するためのフリーランスという選択なので、自分の中での選択は腑に落ちています。
そうですね。簡単に説明するとソーシャルグッドというのは、テクノロジーで社会課題を解決するということです。アメリカでは、とても注目されていて、ムーブメントになりつつあります。
しかし、日本にはその流れがまだ少ないです。写真共有アプリや新たな出会いを提供するアプリが、日本ではどんどん生まれてきていますが、それが日本を、社会全体を変えるかと言ったら、難しいと思います。もちろん、否定するわけではありません。私はそれよりも、社会問題を解決するために、テクノロジーを用いて、日本を良くする、すなわち「ソーシャルグッド」の考え方を広めたいです。
シュアール(http://shur.jp/)という団体がすごく良い事例だと思います。「遠隔手話通訳」を実現するサービスを展開しています。仕組みは超シンプル。高速通信回線とノートPCやタブレット端末を用いて、リアルタイムの遠隔手話通訳を実現するというものです。インターネットとデバイスがあれば、社会が変わるという良い例だと思います。
なると思います。出資を受けることも可能だと思います。世界を通じて存在する社会課題なので、世界にも出ていくことができます。スケールすることもできるでしょう。それだけ社会問題というものは解決するだけの価値があると思います。
「プロボノ」とは、ビジネスパーソンや専門家が自身のスキルを生かして社会貢献することを意味します。私の場合、さきほど言ったNPOにマーケティングの力を与える活動をメインにしています。
正直なところこちらはあまりお金になりません。私は「お金になる仕事:ならない仕事(プロボノ)=50:50」で生活しています。しかしながら、お金にはならなくても、ソーシャルキャピタル、つまりは「信頼」を得ることができています。お金は短期的ですが、ソーシャルキャピタルは長期的なものだと思います。