夢、理念、志を求めて自分探しをしないこと
株式会社エムアンドジー / 中村信仁
能力には「資質」と「才能」があります。
資質とは持って生まれた能力のことで、才能とは訓練によって身についた能力のことです。人間は何かの資質を持って生まれてきます。 例えば絵を描く資質のある人がいます。ここまではいくらでもいるんです。
しかし絵で食べていける人は少ないです。なぜかというと才能を開化させられなかったからです。才能とは「資質を能力に変えていくもの」なのです。 一つの作品が何十万、何百万で売れる画家は、先ほどのカメのように周囲の状況など気にも留めず、そして自分と周囲を比較することなく、黙々と絵を訓練し続けた人です。こういう人が才能を開化させ、資質を活かすことが出来るのです。
つまり「決断する才能」であれば磨くことが出来ると思います。
決断には自信を持つことです。しかし、今の教育制度は日本人から自信を喪失させる制度だと感じます。人間が真に自信を持ち自分の未来を切り開くためには、本当の歴史を知らなければなりません。自分の、日本人のルーツを知らなければならないのです。そして日本人の誇りとは何なのかを考え、日本人としての誇りを呼び戻さなければならない。
もし、自分に自信が無いと悩んでいる人がいたら、教科書に載っている日本の歴史ではなく、本当の歴史を自分で調べてください。
私は大学生に、札幌で就活道場「笑顔塾」で指導していますが、夏休みの彼らにすすめることがあります。それは「鹿児島の知覧に行ってこい。」ということです。知覧の特攻平和祈念館には17歳から20代前半という若き特攻隊員たち1036人の遺書絶筆が遺っています。それを見て、かつての日本人が持っていた誇りを感じてみてほしいのです。
1つは「夢、理念、志」を求めて自分探しをしないことです。
それらは行動した後についてくるもので、行動の最大のモチベーションは欲です。それが今「夢ブーム」が起こってしまって、誰もかれも「夢」と言っています。夢とは欲の究極の形です。そして夢を超越したところに志が生まれるのです。
高尚な夢が見つからないと自分探しするのではなく、夢って欲だと気づいた人から夢を叶えていきます。欲から目をそらし、夢に逃げるのではなく、うまくモチベーションコントロールして行動をしてください。
もう1つが、日本で良いから一年ぐらい旅をすることですね。
親が飯食わせてくれるのは学生の時ぐらいです。もちろん苦学生もいるから無茶は言えないけれども、一年ぐらい休学してバックパック背負って貧乏旅行してくることをすすめます。 色んな人にお世話になって、人に助けられて生きることはすごく勉強になります。こうやって人は助け合って生きてるんだって実感します。
今、多くの学生は安全なところで守られすぎています。それなのに最もリスキーな起業の道を歩もうというのは無理があります。ですから、それなりにリスク背負ってみてから起業に挑戦するのが良いと思います。