自分のカラーが出せる
日下部理絵マンション管理士事務所 / 日下部 理絵
自分探しがゆえに資格取得の勉強ばかりしていたので、もう少しサークルとかで遊んでおけばよかったかなと思うことがあります(笑)それから学生派遣に登録していて、色んなアルバイトをしました。これはこれで充実していたし、とても楽しく勉強になったんですが・・いろんな仕事を経験すればするほど「結局私は何をやりたいんだろう」と悩んだりしました。
銀行に入ってから「やはり自分が取得した資格を活かしたい!」と思ったからですね。ただ、銀行に勤めたおかげで、お金を扱う感覚が身に着いたので、銀行に勤めたこと自体はマンション管理に携わる専門家として非常に良かったなと感じています。 資格を活かすと言っても、新しい資格だけにどうしていいのかわからない、また自分自身も若かったので、すぐ独立するには早いかなと思っていたんです。なので、銀行からマンションの管理会社に一旦転職しました。
マンション管理士の資格が出来た時、管理業務主任者という国家資格も同時に出来たんですね。これは宅建と似たような資格で、マンションの管理組合と管理会社が管理委託契約を結ぶ重要事項の説明をする際に必要な資格で、管理会社でフロント(営業窓口)をするものは、取得が望まれます。マンション管理士は、管理会社の受託先である管理組合にアドバイスをする役割で、例えるなら管理業務主任者とマンション管理士というのは、検察と警察のように相反した関係というか、お互いのことを知っていた方がより管理組合の立場にたったアドバイスができるなと思ったんです。それに将来、マンション管理士として独立するためには、相手側を知っていた方がより望ましいだろうと考え、マンションの管理会社に転職したというわけなんです。
その会社には6年ほど勤めていましたが、ずっと働きながらマンション管理士の団体に参加していました。管理会社での業務以外に、団体内での個人活動としてセミナーや研修の講師依頼なんかを結構いただいて、気づいたら研修の企画立案や講師も含め、年間100本位に関与していたんです。さすがに精神面では充実していたのですが、体力・時間的に管理会社の仕事との両立ができなくなってきたので、独立しました。会社員の安定性を手放すのは、とても勇気がいりました。
私自身という一枚看板で仕事をするので、責任を求められることは大変ですが、その分、起業によって、自分のカラーや個性を出せることは楽しいですね。自己責任において、自分のやりたいことができると言うのは最大の魅力です。それと、会社の規模の大小にかかわらずトップ同士のお付き合いができるのも嬉しいですね。
やはり、年が離れている経営者の方とお話しするときは、難しさを感じますね。正しいことをお伝えすればするほど、「そんなことは分かっている!」と言われたり、こういうと言葉が悪いですが、ナメられてしまうんです。そういう事は、こちらからのアプローチ次第で改善できるものですけれど、関与を始めたばかりの頃は、年齢の壁を感じることもありますね。それから、お客様によって考え方が違うので、それを見きわめるのも難しいですね。全員に同じ言い方をしても、いけないですね。コミュニケーションを上手くとる事が、一番難しいところかもしれません。(笑)