自分のカラーが出せる
日下部理絵マンション管理士事務所 / 日下部 理絵
マンション管理士として登録している方は、全国で16,000名ぐらい、そのうち独立している方は、50名ぐらいだと思います。地域も全国バラバラです。
管理会社出身のマンション管理士というのは、ほとんどいないんですね。それに私自身ずっとマンション住まいで、管理組合の役員経験もあります。 管理会社勤務及び管理組合役員経験、そしてマンション管理士とこれら三者間の視点を持ち合わせ、管理組合の目線に立つことができる希少なマンション管理士であるということ。また、マンション管理士の世界は圧倒的な男性社会で、男性94に対し、女性6と言う割合からもわかるように女性マンション管理士が極めて少ないので、この点も特色と言えます。住まいのことなので、女性の視点や感覚、そして人あたりの良さは管理組合をまとめる上でうってつけな要素と言えると思います。
「儲けよう」とか「事務所を大きくしよう」とはあまり思っていません。むしろ「人の役に立ちたい!」「困ってる人を助けたい!」など足りないところを補えるようなアドバイスができたらと思っています。 これからは高齢化社会なので、マンション管理と高齢者の職業支援になることをやっていきたいなとも考えています。例えばマンションの管理員さんがいるでしょう。あの仕事って定年後の就職先としてとても人気があり、高倍率なんですね。どのくらい高倍率かというと1名の採用に対して、問い合わせから内定まで、約100倍近い事もあるほどです。 また一見、窓口に座っているだけの簡単な仕事のように見えるかもしれませんが、近年、マンション管理に関する法律の整備は目まぐるしく進んでいて、管理員の仕事は誰もができるような気軽なものではなくなってきているんです。 世の中の動きになかなか教育が行き届かない、それにマンション管理員を目指すものにとっても履歴書などでどう自己表現をしていいのかわからない。現場最前線のマンション管理員の質が上がることは、マンション管理全体の質を上げることにつながり、管理組合はもとより管理会社にとっても喜ばしいことです。
そのため、マンション管理員を目指す方を第三者であるマンション管理士の立場から支援したいと考え、『2010年7月1日 一般社団法人 マンション管理員検定協会』を設立しました。2011年に第1回マンション管理員検定を創設すべく現在準備を進めています。検定合格者への職業支援などのフォローも検討しています。 現在もマンション管理員など管理業界へ就職を目指す、東京都の職業訓練校「マンション維持管理科」にて専任講師をやらせていただいていたり、管理会社勤務時代の管理員指導経験を活かし、マンション管理員への総合支援を通しながら、マンション管理の水準を上げていきたいと思っています。
それから、マンションの建替えに関するアドバイスも行っています。昭和56年に建築基準法という法律が変わって、容積率や日影などの規制で、建替えをした場合に今と同じ規模のマンションが建たないという建物が全国には多くあります。このように建替え時に世帯数や部屋の広さが減ってしまう、あるいは世帯数や広さは変わらないけど、建替えることによって、増えた住戸を売却して費用に充てられるメリットがないので、全額実費になってしまうケースも多くあります。人生においてマンション(住宅)を購入する時期というのが決まっているので、建替えの検討が必要なマンションに住まわれている方は、建物とともに時を重ねた方が多く、年金暮らしなど資金面での壁にもぶつかっています。 そもそも、マンション建替えのコンサルティング業は、現に人が住んでいるマンションを建替えるので、マンション管理のプロであるマンション管理士にとても向いています。このように困っている管理組合の助けになるよう、引続き支援して業として確立させていきたいですね。
19歳の時、芸能レポーターの梨元勝さんがカルチャースクールの講師をされるというので、その講座を受けにいったんです。その授業の中で梨元さんのご厚意で、ワイドショーの収録現場に連れて行ってもらったんですね。その時に生放送の臨場感とキャスターの隣にいるコメンテーターに目が釘づけになり、あぁ私のやりたい仕事はこれだ!と思ったんです。コメンテーターになるには専門知識がいるので、それを得るためにマンション管理士になったというところもあります。だから第1回目にこだわった訳です(笑)今でもコメンテーターには憧れていますね。
時間があれば、なんでも良いのでチャレンジをして欲しいです!自分で出来ないやと自ら可能性を摘むのではなく、とにかく何でもやってほしい。結果、駄目だとしてもそれはそれで、自分の可能性を自分で確かめて潰していっているのだから、意味はあるかと思います。