学んで蓄積された栄養が、起業という実に結びつく
かわさき社会保険労務士事務所 / 川﨑俊一
勤めていた会社での人事異動がそもそものきっかけになりました。売掛金や買掛金などをコンピューターで管理をしている電算室の担当者が退職したことで、そ のポジションに空きができたのです。電算室の業務は、商品知識や取引の内容を理解していないと即戦力として務まらないということで営業部からの異動が恒例 でした。そこではオフィスコンピューターを使い、在庫管理から入出金などを管理していましたが、同時に人事や給与計などの管理などもしていたのです。その 時に営業に所属していた私が選ばれ、人事も担当することになりました。
この会社には10年勤めていたのですが、自分が人事を担当していたにも関わらず、社会保険労務については全然知りませんでした。そんなとき、顧問の社会 保険労務士に誘われセミナーに参加したことがあります。その時の大規模なセミナーを開催する社会保険労務士という団体の組織力に驚きました。このときか ら、社会保険労務士の業務を理解するようになり、この資格をバックボーンとする人事コンサルタントになるために社会保険労務士資格の受験を決意しました
高校の時まではずっと建築家になろうと思っていました。その理由は、小さい頃からものを作ることが非常に好きなこともあり、近所で行われていた大工さんに よる新築工事や家庭大工などに触れてきたからだと思います。中学生の頃に、建築の道に進むことを考えていて理工系大学の附属高校に進学しました。 その後、付属大学への進学試験の時に盲腸の手術で試験を受けることができなかったために進学することができず、一年間浪人しました。そのときに方向転換 をして、法学部へ志望を変更しました。高校に行っている間は、設計などをしたいと考えていたのですが、実際には、歴史的な建造物を建てる事業と考えた時、 法律を身に付けようと思い法学部に進学しました。
私が大学生の頃はちょうどバブル世代の少し前で、レジャーブームでした。入学したてのころ所属していた武道系やオールラウンド系のサークルを退会して、 自分たちでオールラウンドなグループを作り、楽しい学生時代を過ごしました。今でもその時の仲間とは付き合いが続いていて、本当に良い仲間に出会うことが 出来ました。
私は就職活動らしきものをしていません。というのも、その頃ちょうどアルバイトをしていた会社にそのまま就職したからです。大学時代は遊びにはもちろん力 を入れていましたが、アルバイトも数多くこなしていました。その頃アルバイトしていた専門図書の出版社で、在庫管理から出荷、取次店や書店への納品などを していました。そんな折、社長から社員へと勧められ、そのまま新卒採用となったのです。
そのほかのアルバトで印象に残っているのは、パーラーレストランでのアルバイトです。朝から、パーラーの厨房で生クリームやカスタードなどの仕込みを行 い、クレープなどのスイーツを作っていました。デパートの上階にあるお店で、その当時大変賑わっていました。そこでのアルバイトは本当に楽しかったです。 今思い返せば、このアルバイトは自分がものを作ることが好きだ、ということに繋がっていたのかもしれません。口に運ぶ食べ物は、お客様の反応がすぐにわか るのも働く上での醍醐味でした。「川崎さんが作ったスイーツは美味しい」などとお客様に言って頂けると、非常にやりがいを感じました。
司法試験にチャレンジしておけば良かったなと思います。法律は、憲法から始まって、民法などの一般法、そして会社法や労働基準法などの特別法などがありま す。この法治国家の構造というものは意外に実生活の中では気づかないのですが、私たちの生活はすべて法律で縛られています。そのことを知っているのと知ら ないのとでは全然行動が違ってきます。会社を作るにしても、法律を知って会社を立ち上げた人と、知らないまま立ち上げた人とでは全然組織の出来が違うので す。
私は、社会保険労務士という資格で仕事をしています。資格によって扱える法律が決まっているため、それ以外の法律行為をすることが出来ません。自分の守 備範囲内に関係するところだけでも資格外の法律行為が認められれば、会社の抱えている問題をもっとスムーズに解決することが出来るようになります。それが できずに歯がゆく感じることがたくさんあります。