起業が当たり前の世界を目指す!
TECHFUND Inc. 代表取締役 松山雄太
ビジョンに良し悪しはそんなにないかなと思います。しかしながら、ビジョンは大きければ大きいほど良い。野心や野望のレベルまで、大きなビジョンを考えてほしいなと思います。
例えば、「お母さんの腰の痛みを解決したい」というビジョンよりは、「世界中の人たちの腰の痛みを解決したい」というビジョンの方が私は嬉しいです。それに共感してくれる人たちも多いでしょうし。
そのため重視していない点で言えば、トレンドに合っているかどうかというところは、私たちはそこまで見ていません。
トレンドに合っているかをすごく重視してる投資家の皆さんも多くいらっしゃいますが、それは、投資家の皆さんは「5〜10年間でそのファンドの結果を出してください」という短中期的なお約束でお金を預かって、投資をされている方も多いことが影響しているためだと思っています。でも、僕たちは5年10年ではなくて、より長期的なビジョンを重視します。
あえて挙げるとすれば、「ユーザー視点で考えているか」を重視しています。自分の成し遂げたいことだけだと、常に自分だけの考えに寄ってしまう。
もちろん、自分の夢やビジョンが最も重要ですが、それだけで大きなものを作っていったり、大きな組織を作っていったりすることはできないと思います。そのためには、ユーザーさん、いわゆる自分の外からの視点で考えられるかどうかがすごく重要であり、そのユーザーさんからの視点という解像度が高いといいなと。
課題を抱えているであろう顧客がどんな人で、どこに住んでいて、どういう生活をしていて、銀行口座にいくらあって、どんな家族で、どんな趣味で、どんな代替手段を使っていて、といった解像度。この解像度が高ければ高いほど、いろんな人に共感してもらえるようなビジネスにしていくことができるはずです。
また、ユーザーさんへの解像度が高ければ、夢への共感だけではなくて、ビジネスへの共感もしてくれる人が多くなるはずなので、やっぱりユーザー視点の考えは大事だと思います。
個人的には準備は必要ないと思います。
起業するために、例えばベンチャーキャピタルに入ったり、大企業に入社して経験を積んだり、起業のための投資経験や経営の経験、事業の経験を積んだりしてから起業しようとされる方もいらっしゃる。それはそれで素晴らしい考えだとは思います。しかし実際、そこで得られる経験から起業する際に役立つことって非常に少ないです。
実際に起業してみないとわからないことや、準備していたけど全然違う準備が求められることが起業してみると起きるので、個人的には準備なしに早く取り組むことが重要だと思います。
それこそ学生の皆さんは、学生のうちに起業することで、実際に起業がどんなものなのかが分かります。その中で「より事業を大きくしたい」、「より高いビジョンを達成していきたい」と、自分と夢を成長させていくことができると思うので、まずはがむしゃらに飛び込んでみることが大事だと思います。
僕も学生当時、起業して人材会社を立ち上げた経験が今に繋がっています。
唯一あるとすれば、準備ではなく心構えみたいな話ですが、起業をするとお金の稼ぎ方や人材の採用など様々な悩みを抱えることとなり現実的なことばかり考えてしまうのですが、夢はいつまでも大事にした方がいいですね。