5年で独立する
株式会社ネクスト / 井上高志
91年株式会社リクルートコスモス(現コスモスイニシア)に入社後 3ヶ月でリクルート本社に転籍95年退社。
97年株式会社ネクストを設立し、代表取締役社長に就任。
ある出来事を境に自問自答を繰り返し、2つの人生の目標をたてました。 それは、「5年で独立する」「一大事業を成し遂げる」というものです。 ある出来事とは、「就職活動」なんです。私が就職活動をした1990年代はじめといえば就職状況好調なバブル経済の時期でした。ですから大手企業からの内定もいくつか頂き順風満帆・・・なところでしたが、腕試しで受けたあるベンチャー企業で見事に落とされてしまったんです。面接の時点で一目瞭然です。周りの学生のレベルの高さに、すぐに負けたと感じましたよ。
大学名なんてラベルが通用しない、一人ひとりの存在が大きな影響を及ぼすベンチャー企業。「人」をシビアに見極める面接を経験した時、その時初めて自分の「過去」に反省したんです。 そんな状況下、その時交際していた彼女にふられてしまいました。彼女は、夢があり、その夢の為にニューヨークに行くと言って去りました。目標がしっかりと定まっていて、ちゃんと行動しているキラキラしている彼女を見て、自分には過去も未来もないって思ったんですよね。
悶々と自問自答を続け、辿り着いたのは先ほど挙げた、「5年で独立する」「一大事業を成し遂げる」という2つの目標だったんです。
私はリクルートコスモス(現・コスモスイニシア)に入社し、主な仕事内容として新築マンションのモデルルームでの接客を担当しました。ある時、若いご夫婦がモデルルームにいらっしゃいました。その物件はそのご夫婦のニーズにピタッと合い、すぐに購入を決断されたんです。でもその頃バブルが崩壊して住宅ローンの審査が厳しくなり、残念ながら買う事が出来なかったんです。ご夫婦はすごく落胆していました。その姿を見て私は、どうしてもお二人を助けたいと思い、その日から自社の物件だけでなく、他社の物件も含めてあらゆる物件を探し周り、お二人の要望に合いそうな物件を40件程ピックアップしていきました。
最終的にお二人は私がピックアップした物件の中から、ライバル会社のマンションを購入されることになりました。その時こう言って下さったんです。「色々な物件を見に行きましたが、どうも都合の良い営業トークで言いくるめられているように感じたんです。でも、井上さんは本当に私たちの事だけを考えて動いてくれました、ありがとうございます!」この笑顔がうれしくて、仕事ってこういうものだなと思いました。頭のてっぺんからつま先まで良かったーって気持ちになったんです。でもライバル会社の物件を売ってしまったので、上司からは怒られましたが。(笑)
デベロッパーって結局自分が担当している物件しか売れないんですよね。中古マンション仲介も売り手の事情が優先されることの多い業界でした。お客さまがぴったりな物件を探したいと思っていても、事業者の都合で手に入れられる情報が非常に限られているという事実に腹立たしさを覚えたんです。この事に問題意識を持って、お客さまの一人一人の為を思って創ったのが、住宅・不動産情報ポータルサイト「HOME’S」です。
情報が誰でも平等に入手できるように、都合の悪いことを隠したりごまかしたりできないように、誠心誠意お客様のサポートをする誠実な事業者が選ばれるマーケットを目指して創業しました。