地球をもっともっと元気に!
明治大学経営学部3年 学生維新代表 学生団体SWITCH 創始者 次世代リーダー緊急会議 学生幹部 / 吉田 勇佑
説明会にも参加したほどで、GRAPHISに入ることももちろん考えました。ですが、自分は他の選択肢を選びました。それは、本当に単純な想いからで、自分には違うところに使命があると感じたことと、その時すでに、周りに自分と同じ想いを持った仲間がいたからです。自分だけがこの何かしたいという、くすぶった想いを持っていたわけではなかったんです。なので、GRAPHISに入るのではなく、この仲間達と0から何かを作ってみようと考えたのです。
僕の学生生活のなかで、「何かやってみよう」と思う瞬間には、いつも心を突き動かすようなキッカケがありました。心のスイッチが入るような感覚の、あれです(笑) その上で僕は、高校時代の友人やGRAPHISをはじめとする他団体の方から刺激を受け、様々な活動と学生の持つ可能性を知ることができました。
キッカケをもらった僕達だからこそできること・やりたいこと、それは、まだキッカケを手にすることができていない、同世代の学生の方々に「心のスイッチをオンにするキッカケ」を提供することだと感じたんです。それから同じ想いを持った仲間と20人で学生団体SWITCHを立ち上げました。大学1年の終わりに差し掛かっていた、3月5日のことでした。
SWITCHを立ち上げてから間もなく、新歓シーズンがやってきてしまいました(笑)。ですが、何事も仲間がいなくては始まらない。ということで、創設間もないSWITCHも、4月と5月に新歓を開催し、20人程の1年生が入って来てくれた為、いきなり40人程の団体になりました。部活ではキャプテンを経験していたものの、サークルの運営はした経験が全くなく、何をすべきか分からず、最初は想いを持った人が集まった、飲み会と遊びを行う団体となってしまいました(笑)もちろん、今は、しっかりと活動していますけど!
組織として、SWITCHには運営、企画、ボランティアという3つの部署があります。あるとき、ボランティア部のメンバーの1人が個人的にバングラデシュへのツアーに参加しました。帰国したメンバーからバングラデシュの写真を見せてもらったり、話を聞いたり、今まででは考えられなかったような現実をリアルな言葉で聞くことができたんです。それに刺激を受けた僕を含めたメンバー達の中でSWITCHとして何か支援活動が出来ないかという声が上がりました。
ちょうどその時に代々木公園でバングラデシュフェスティバルというイベントが開催されていたので、みんなで試しに行ってみることにしたんです。イベント自体は、バングラデシュの料理やアクセサリーを出している店が並んでおり、楽しい雰囲気ではありましたが、支援活動の参考になる何かとは出会えないまま「帰ろうか」と諦めかけていました。そんなとき通りかかった道で、一際目立つバスを見つけたんです。旅行会社のH.I.Sのイベント用のバスでした。
「バングラデシュに行ってみたい!」「何かしてみたい」という僕達の想いを伝え、H.I.Sの役員であるバングラデシュ人の方とお会いする機会を頂くことができたんです。そこから今につながる繋がりが生まれました。そして、メンバーみんなでバングラデシュへの支援活動ができるイベントを「楽しさ」という切り口で考えていたところ、大規模のチャリティ運動会を開催してみようという話があがりました。しかも、実績もないのに、1000人規模のものをやらかしたいねと(笑) 運動会は、学生なら誰もが小学校・中学校・高校と楽しんできたもので、得意や不得意なく、多くの学生を巻き込むことができます。それに、ボランティアや海外に興味のない学生にとっても、敷居の低い入口としては最適なのではないか。しかも、大学生には運動会という文化がないため、新たな可能性も秘めていました。そこで、元気と勢いをもとに、僕達のメインイベントとして、チャリティの運動会を開催するという企画を進めていくことになりました。
いいえ。企画をH.I.Sの方に話に行ったところ、しっかりとダメ出しをされてしまいました。(笑)というより、本当にたくさんのアドバイスを頂きました。今では感謝してもしきれない程です。その中で、バングラデシュを支援している現地のNGOエクマットラという団体の渡辺大樹さんのお話を聞き、実際にお会いさせて頂きました。渡辺さんはとても熱いハートを持った方で、人間性も本当に素晴らしく、良い意味で、大きな影響を受けました。そして、「現地で暮らす子ども達にも、キッカケを提供したい」という想いに共感し、エクマットラを支援先として応援させて頂くこととなりました。 これで、運動会開催に向けて本気で向かう体制が整いました。ただ、その後の企画や運営の進行も本当に大変でした。運動会運営の経験がないのはもちろんですが、まだメンバー同士、心をさらけ出して語り合えるほど、団体内が本当の意味で仲良くなれていなかったんです。なのでこの頃はまだ、団体一丸となって戦うだけのチーム力がありませんでした。そこで、開催も2ヶ月を切り、参加者もまだ50人にも届いていなく、相当焦っていたのですが、このままモヤモヤを残しながら当日を迎えて成功しても、意味がないと感じ、夏休みの前半2週間を使ってメンバー達ととにかく遊びまくりました(笑)
信じられないかもしれませんが、これが最高のチームとなるターニングポイントとなりました。遊ぶ中でも、それぞれが想いを語るようになり、みんなが本気で心をさらけ出して向き合えるようになったんです。
そうして残りの数週間を本気で駆け抜け、1年目のチャリフェスを2009年9月27日に開催することができ、514人の参加者と共に、綱引きやリレーなどの懐かしの競技を楽しみながら熱く刺激的な時間を過ごすことができました。 目標としていた参加者数に届かなかった悔しさもありましたが、初めて出会う方々と、運動会を通じて仲を深めていく参加者や、イベントがキッカケとなり何かしらのアクションを起こしてくれた参加者がいたという事実が本当に嬉しくて、大学入って以来初めて、本気で泣きました。
1年目よりも規模を拡大して723人を集めて、川崎市の等々力アリーナにて開催しました。1年目は屋外の競技場だったのに対しアリーナでの開催だったため、新たな挑戦でもありましたね。1年生も新たに入ってきたので、総勢84名での企画・運営となりました。学生団体でも、60団体が協力団体として参加して下さり、めちゃくちゃ盛り上げてくれましたし、僕の両親も忙しい中イベントを見に来てくれました。 本当に多くの方の協力の下、最高の集大成として1年半のSWITCH生活を終えることができました。
僕達3年生はこのイベントで引退することが決まっていたので。引退の最大の理由は、僕がずっと代表とし引っ張っていくことよりも、SWITCHという団体がいつまでも残っていくことの方が何倍も大切なことだと認識していたからです。継続性を考えての引退でした。そのため、このイベントは、それはもう本気で取り組みましたね。
引退がかかっていたせいか1年目とは全く違う感動をもらいました。 最も感動した瞬間は、最後の競技、リレーを終えた瞬間でした。今日初めて出会った参加者同士が、本気で応援して、本気で悔しがって、本気で抱き合って喜んでいて・・・その姿を見たとき、自然と涙が出ました。「僕らが作りたかったのはこれだ…」と。多くの方々の感動体験を生み出したかったんだ。その中で、何かを感じて欲しかったんだと。そんな感動や、1年半僕についてきてくれた仲間や支えてくれた方々への感謝の想い、僕の学生生活の原点であるこの団体の運営から離れてしまう寂しさで、イベント後メンバー全員で涙を流しました。今でも思い出すだけで胸が熱くなります。 一生思い出に残る、最高の日々でした。