テクノロジーと教育が世界の諸問題を解決できると信じてる。
慶應義塾大学 / 中込翔
過去の自分から要素を探していくことが一番簡単で早いと思うんですよ。やっぱり今まで積み重ねてきたものもありますし。僕の場合ですと、幼少の頃から海外と日本を行き来しながら生活してきて双方の教育を受けながら、日本を比較して見てきたし、海外では英語を駆使して勉強してきた。
また子供の頃から何かをつくることが好きだったので図工や工作、CGなんかにも手を出して自分の手で何かをつくりだしてきた。 大学に入ってからはプログラミングや電子回路の作成などを授業と授業外でやってきた。
つまり、今自分が置かれている状況や自分の過去を遡った時に「自分は一体今まで何に打ち込んできて、何に面白いと感じたのか」とか「どういう過去を送ってきたのか」といったことを探すことによって、ある程度オリジナリティある強みみたいなものが見つかるんじゃないかと思っています。
僕自身は起業はまだ全然考えていないですね。
理由としては主に2つあります。
起業をする上で必要なことの一つとして専門性が挙げられると思うんです。自分が今使っているサービスやプロダクトを見ても、その創業者達は何か自分なりの専門性を持ちそれを発展させてきたからこそ、今まで続けてこれたわけじゃないですか。要は、彼らはスタートの時点で専門性が圧倒的に養われている状態なので、他の人達の追従を許さないわけです。
一方で、起業の根底がアイデアベースだと、そのアイデア自体がコピーされてしまえば、その事業自体の価値を持たなくなってしまうんです。例えば、スティーブ・ジョブズですと、幼い頃からずっとエンジニアの父とともに機械をいじる楽しみを見出しつつ、同じように機械に魅了されたウォズニアックと洗練されたデザイン性を持ったパソコンをつくったわけです。彼は大学生になって起業をしましたが、お互いに既にキャリアを積んできた身なので、それを活かした起業だったからこそ、他の人が真似出来ないような企業を生み出せたと思うんです。
こうした考えを踏まえた上で、僕が今、起業をしようとなった時に、今のままだと自分なりの専門性が足りないと感じるんです。他の人達が真似出来ないような専門性です。その専門性を本格的に学ぶという意味もあり、大学卒業後にはMITに行きたいと考えています。
僕自身、この考え方に至るまでに紆余曲折がありましたし、軽い挫折感も味わいました。その中で結局思うのが「これ、俺の人生だよね?」という言葉が今でも僕の中の芯になっているなと感じています。他の誰でもない自分の人生だからこそ、自分の好きなようにやって、やりたい方向に向かっていくべきだと思います。
そう考えると、挫折は後退を意味するわけではないということを感じます。立ち止まっているだけであって、そこまで進んできた道というのは絶対にありますし、なくなるわけではありません。紆余曲折は進んでいるうちに入るんです。歩みが遅くなっただけ。挫折は立ち止まっただけ。そこからさらにもう一歩踏み出すことは、そんなに難しいことではありません。「ただ立ち止まっただけなんだからまた同じように歩き出そう」という気持ちで楽観的に捉えてとにかく歩き出していけば、必ず新しい出会いや発見が待っています。
そうですね。
僕の中では、日本のメディアと絞った時点で、それは日本人(多くても1億人ぐらい)の視点の中でしかないんです。そこで海外を枠の中に入れた瞬間に、自分の視点も広がっていくんです。一つの情報によって感化されるということは危険なことだと思います。
日本って単一民族なのでどこのメディアも似てきてしまうんです。人それぞれの考え方がどうしても似てきてしまう。ただ、そこで英語が出来れば、国境を超えて価値観を共有することが出来る。彼らは日本のメディアに比べて固まる傾向がないので、それぞれの個性的なメディアに触れられます。また英語をつかっている国は多い。それぞれのメディアに注目することでまったく違った観点が得られる。そういうのを自分の中に取り入れることで自分なりの視点をつくることができる、そこが英語を学ぶ上での一番のメリットだと感じますね。
僕の場合は理系なので、とにかく来年時に実際に動いていく事になる研究という場で、本当の意味での模範的な理系の学生になりたいと思うのが一つです。端的に言うと社会的に価値のある研究をして成果を出すということです。
もう一方で、社会のために貢献していきたいという想いもあります。社会人になってから貢献するのではなく、大学生のうちに自分の専門性を活かした貢献をしたいと思っています。難しい分野の研究をシンプルにし、学問の道へ多くの人達を喚起できるようにすることが出来る人というのは、おそらく学問の道にいる人しかできないと思っているんです。こういったアクションを起こすことによって、自分の道が見えていない人たちのための道標になるようなきっかけを与えられればと思っています。