本質を理解する
株式会社BuleMeme / 松岡 真功
本質を理解する
株式会社BuleMeme / 松岡 真功
現在のIT業界は、あまり成熟していない業界の一つだと考えています。会社もシステムもたくさんあり、価格も不透明でバラバラ、マーケット自体が未だ成長段階にあるのではないかと感じています。また、成熟していないマーケットでできた仕事のシワ寄せが下請けや孫請けの小さな会社の利益を圧迫しています。そのような産業構造を少しでも変えたいという思いでBule Memeという会社を立ち上げました。昔はIT業界というと花形でしたが、今は7Kと言われていますよね。そのようなイメージを作ったのは我々かもしれませんが、もう一度、誰でも働きたいと思うような業界にしていきたいと考えています。
全てゼロから始めるので、楽しい反面その大変さはありましたね。
請求書のフォーマットの作り方だとか、契約書の印紙だとか、ハンコの種類だとか、そういう些細なことが事一番大変かもしれません。(笑)
今まで大手の会社もベンチャー企業もたくさん見ましたが、自分の責任で多くのことがやれるのは魅力ですね。
大手企業を辞める時に私が必ず上司に言われたのが「大手企業なら失敗してもそれほどリスクがない。だからある程度自由にやって良いし、起業するよりも会社にいた方が良いのではないか?」ということでした。
しかし私は、自分の仕事に責任をたなければ本気で仕事はできませんし、仕事に誇りを持てなくなります。それができる事は起業の数少ない魅力の一つです。
IT業界が成熟していて欲しいと思いますが、それ以上はあまり考えた事がありませんし、あまりわかりませんね。
どうせなら予想ができない世界が来る方がいいですね。その方が楽しくありませんか?(笑)
本質的なところを正しく理解するという事はこだわっている事ですし、メンバーにもいつも言っている事です。コンサルティングというのは、お客様の持っている問題を私達がお手伝いをしながら解決する仕事ですが、実は解決策というのはお客様の頭の中に潜在的にあることが多いですね。
ただ、自分達だけでは自信が持てない、明確に気付いていないから、コンサルタントに知恵を借りてその解決策を顕在化してもらおうとしているんです。ですからコンサルティングは、お客様の潜在ニーズを具現化する仕事です。しかし、それを誤解している人はたくさんいて、自分のアイデアや斬新で理想的な企画を提案し、それをお客様に実行してもらうのがコンサルティングだと思っている方がたくさんいます。
それでも事業としてはやっていけるのですが、本質を考えるとそのコンサルティングは少し意味が違います。
例えば、お金に困っている会社があるとします。このときの経営者のニーズは、お金を借りたいというものです。
このニーズに答えるには、資金の調達先や調達方法を調べ、お金を借りるという行動を支援することになります。しかし、これではコンサルティングにはなりません。なぜ資金に困っているのかという、本質的な部分を解決しなければ、来年も同じような問題が起こりかねません。
今回の例だと、「運転資金が必要だが、その運転資金を借りなければいけない状況をなんとかしたい」というのが、経営者の潜在ニーズであり、本質的な課題です。つまり、お客様が言葉として話す顕在的なニーズと、本質的な課題は違ったりするんです。そういうお客様の本質を理解しなければミスリードをしてしまったり、間違った提案をしてしまう恐れがあります。ですから、本質を見極め理解するということは日頃から意識していますね。
最初のころは、あまり人脈等のネットワーク作りばかりに力をいれる必要はないと考えています。
最近、学生の方やや若い方々にお話を聞くとネットワークを作りたがる方が大勢いらっしゃいます。人脈作りも大切なことなのですが、それはもっと後で良いのではないでしょうか。それよりも自分が「何をどうやりたいのか?」をしっかりと考えて欲しいです。自分が信じていることを真摯に行っていれば、興味を持ってくれたり、手を貸してくれる人は必ずでてきますし、一生懸命頑張っていれば賛同してくれる人はたくさん出てきます。そういう繋がりでできた人脈は、それほど広くなくても深くて堅い絆となるのではないでしょうか。