使命を見つける
株式会社ワンズベスト / 根本 晴人
そうですね。ただ、バーテンとして働くうちに「起業したいな」という気持ちが湧いてきたんです。そうして時間が経って「絶対に会社を興す」という風に決めたので途中で大学は辞めました。当時は自分一人でのお店を持つことが一応の目標だったのですが、それには時間がかかるなと思ったので、バーをやりながら営業代行的な事も始めました。段々そちらの仕事がメインになってきたんですが、自分は当時パソコンが使えなかったので途中で限界を感じだしたんですね。それが23の時です。
そんな時に知り合いの方から「今立ち上げているベンチャーの会社があるからやらないか」と声をかけて頂いたんですね。それでそのベンチャーに1年間だけ入りました。すごく忙しくて、固定給もあって無いようなものだったんですが、そこでの経験はとても大きかったです。その1年でパソコンのスキルですとかも身に付きましたけれど、何もない所から会社を立ち上げる過程を見る事が出来たので、それが一番勉強になりました。起業時のお手本になりましたね。ただ、その会社は倒産して無くなってしまったんですよ。結構波乱万丈なんです。(笑)
いや、その時はもう人脈もできていたのであまり不安はなかったです。ですがまだ株式にしようとは思っていなくて、保険の代理店を始めました。何故、保険かというと、そのベンチャーで福利厚生のアウトソーシングをやっていたので保険会社の方と組んで仕事をしていたんですね、そこから、保険関係の仕事がイメージ出来たからです
そうですね。私は、何か選択肢を与えられた時、自己成長出来るかどうかを基準に選ぶようにしています。自分の成長が望めるのであれば多少辛かったり、未知の分野であっても取り組もうという気持ちが湧いてくるんです。ですから、なにか新しいことを始める時は自分が成長すると言う事が読めるので、わくわくしますね。
現在の会社であるワンズベストを作る前の2年間は、毎日吐いてしまう位身体を壊してしまって、働けない時期だったんです。何かを成し遂げようと思うとそれなりに試練が訪れて、そのあと成長出来ると思っているので、その2年間も試練だったと今は思えます。(笑)この2年間が無かったら株式会社を興していないでしょうね。
当時は毎日悩んでいました。色んな問題ごとがすべてのしかかってきた時期だったんです。でも、その問題たちを解決しようと思った答えが自分の起業に繋がったんですよ。 具体的にどういう事かというと、その時は個人事業とはいえ組織は作っていたんです、組織というと普通ピラミッド型組織になると思うんですが、そういう形態だと働いている人同士で派閥が起きたりして、それが私はすごく嫌だったんですね。内部の抗争を作るために組織を作ったわけでなく、なにか社会に貢献したいと思って始めた事業だったので、そのギャップに苦しんで体調を崩したんです。それで、どうやったらそういう内部の人間関係の問題を解決できるかを考えて生まれたのが、現在の私たちの強みである『円の組織形態』なんです。つまり、派閥が生まれるような組織関係が嫌ならば、自分で新しく作ってしまえばいいんだ!と思ったんです。
肩書きが無いとかそういうことではなくて、全てが繋がっているという意味です。例えば、Aという部署とBという部署があった時に普通はそれぞれ部長がいて、部同士の成績を競い合うと思うんですが、うちはそれを無くすためにA、Bという分け方を辞めたんです。互いに協力し合える、その為の体制が整っている。そういう組織です。一人ひとりがプロです。
会社名の「ONE’S BEST」というのは「一人ひとりの最高の力」という意味なので。人って個々人持っている特性が違って、得意なもの不得意なものがあると思うんですよね。 その人だけが持っている花を咲かせた人々の集合体という意味を込めて会社名をつけました。 私は物事には見方が沢山あると思っていて、どんなことでも勉強になると思うんです。例えば物を只の物と思うのではなくて、物の存在意義を考える。そうすると机も椅子もすべて「私たちを助けてくれる」為にあるんですよね。物を多角的にとらえる事からビジネスが生まれてくるんだと思います。私はピラミッド型組織にいて色々と辛かったですがそこから勉強して円の組織形態を生み出せた。そういう点ではピラミッド型組織という物に感謝できますよね。自分にとってマイナスになった事でも感謝出来るようになったときになにもかもプラスに転じるんだと思います。