経営者の視点で物事を捉える
株式会社HRインスティテュート代表取締役社長 / 野口 吉昭
6年半くらいその設計事務所にいたんですが、仕事を始めて初期の段階にショッピングセンターの企画をする仕事に出会いました。それはゼロベースからショッピングセンターを立ち上げていくというプロジェクトだったのですが、マーケティングコンサルタントと一緒に仕事をしました。軸は我々だけれども、ショッピングモールの中にあるテナントリーシングとかデザインだとかはマーケティングコンサルタントがやるんですね。それを見ていて面白そうだなと漠然と感じていました。その入社2年目で感じたコンサルタントへの興味がずっと引っかかっていたんだと思います。 当時CI(コーポレイトアイデンティティ)というものが流行っていて、ロゴマークを変えたり、ブランドイメージを作り上げたりするといった、企業イメージを上げていく事に注目が集まっていました。リゾートホテルの設計施工をしていた時、最後はお土産屋さんの包装紙のデザインや、メニューのデザインだとかも行い、とても面白いなと感じました。そのような経験がコンサルティングの仕事に転職したキッカケだと思います。
CIのマネジメント側の仕事をしていました。CIって大きく3つあって、マネージメントコンサルタントの切り口、マーケティングコンサルティングの切り口、 デザインコンサルティングの切り口は3つあります。企業文化とか企業イメージは比較的マネージメントコンサルティングの切り口でコンサルティングしていく事が多いんです。具体的には、企業のイメージ調査をやったり、社内の経営課題を挙げたり、コンサルティングする会社が、どういうビジョンを持っていくか議論して決めていきました。そしてそこから、経営戦略を考えていくんですよ。それがすごく面白かったです。ここの会社では6年くらい働いていました。2年目でもう部長になっていて、最終的には社長候補にまでなったんですけど、辞めちゃいました。
そこの会社では様々な事業をやってたんです。デザインもやっていたし、広報関係の仕事もしていたし、事業が多角化していて社員が多く、経営的には上手くいっていませんでした。大きな会社を引き継ぐよりかは、自分の考える経営をやりたかったんです。会社を辞める話をして、私を含めて仲間三人で会社を立ち上げました。。
家族に対するリスクはもちろん感じていました。収入がどうなるのだとか、少しの不安はあったけど、
不安と言えばそのくらいだったかな。
コンサルタントは、自分で売上を持ってくるんですね。会社はそれなりに軌道は乗っていたけど、一年で崩壊してしまいました。
自分ともう一人は仕事を外部から持ってきて、仕事をしていました。しかしもう一人はあんまり仕事をもってこないわけですよ。しかもその人が社長だから、何となくもめてしまい、ばらばらになってしまいました。そして自分自身でまた新しい会社を立ち上げました。その会社が今の会社です。
会社を作る時はミッションとかビジョンとかは詳細には考えないんだよね。 そんなに明確なものは初めからはなくて、徐々に出来上がっていくんですよ。漠然とソーシャル活動をしたいという理想はありました。でも、ソーシャル活動の前に自分で家族の生計を立てていかなければならないので、会社を立ち上げるとともに、他の会社に勤めていました。友人のコンサルティング会社に身を寄せつつ、自分の会社も経営していました。そこでリスク分散出来ていたのだと思います。