当事者意識を持って学んでいるということが大切
株式会社プロノバ / 岡島悦子
私は起業自体を目的にして起業したわけではないのですね。自分自身が共感する企業や経営者を支えて行きたいなという思いが強く、それを実現するために、独立して働くという今の形態を取りました。もともと、グローバルに活躍していきたいという思いがあり、新卒では三菱商事に総合職として入社しました。しかし、20年前を振り返ると、今のような働き方をしているとは全然考えていませんでした。三菱商事では、同期と比べても実績は出していましたし、機会も与えていただいていたとも思いますが、「女性×若い」ということによって、権限が限定的ということもあり、自分自身をもっと試してみたいとマッキンゼーに入りました。 マッキンゼーでの仕事はとても楽しく、問題解決能力がとても高められたと思います。ハーバードビジネススクールで学んだことがマッキンゼーでの仕事を通じて、ものすごく腹落ちし、実践で使えるようになった感じです。
また、そのころ、ハーバードの同級生たちの多くが起業を始めていました。友人たちの様々な悩みを聞いていく中で、起業にはお金も人材も必要で、お金は集まったけれど、人材が集まらない、優秀な若手がいない、という課題を認識し、何とかそれを解決できないかと考えるようになりました。
三菱商事時代、ベンチャーキャピタルファンドへの投資などをやっていたので、ベンチャー企業への思い入れがあったこともあり、マッキンゼーを辞めグロービス・グループの経営人材紹介事業の立ち上げに参画、のちに社長に就任しました。
グロービス時代から、多くの「経営のプロ」と呼ばれる方々とお付き合いしてきましたが、まだ日本には「経営のプロ」の母集団が出来きっていないと思っています。「経営のプロ」は各所にいらっしゃいますが、点在していて、面にはなっていないのです。なので、日本企業を強くするためにも、日本の中に「経営のプロ」集団を作らなければならないと感じ、それを実現するために現在の会社、プロノバ(経営のプロの活躍する場を創りだす、「プロの場」)を立ち上げたんです。
とにかく負けず嫌い、ということもあると思いますが、私の場合はお金を沢山稼ぎたい、というわけではないんです。それよりも、人から必要とされたい、というモチベーションが大きいと思います。人に必要とされている、人の役に立っている、自分が介在することで新たな何かが生まれる、ということにとてもワクワクしますし、そう感じられることが、私にとっては重要なんだと思います。
大事なことは、期待に応えていくことだと思います。成果を出せ、と言われていたら成果をだし、結果に至るプロセスを見せろ、と言われたらプロセスを見せるんです。仕事ができる、とは、そのようなことだと思います。私自身も、成功のゴールイメージを描き、求められていることは何か、ということをしっかりと意識して仕事をしてきました。