流通も行えるデザイン事務所
テツタロウデザイン / 中林 鉄太郎
3年後に法人化することがわかりやすい目標です。
デザイナーの世界では、一つ一つ成果を出していくことが営業の要素になるので、それを積み重ねつつ、仕事内容を少しずつスライドさせていくつもりです。今は意図的に個人名を冠した社名にしていますが、デザイナーだけではなく、コラボレーションや、チームクリエイションもできる会社、そこで新しい人材を採用して、工業デザインのモデルを作っていければ楽しい50代が送れるかなと思っています。
ホスピタリティにこだわっています。
料理に例えると、デザインが出来上がった状態というのは、フライパンの上で料理が出来上がったばかりのところと同じなんです。それがいくらおいしい料理であっても、お皿ににも盛りつけられず、道で手渡されても『えぇ、椅子は!?机は!?フォークは!?ナイフは!?道で立ち食い!?』となるでしょう。 だから作る人だけではダメなんです。デザインが良ければいいという訳ではない。また、きれいな装飾のレストランであっても、コックとサーバーが仲悪かったり、働いている人が楽しく働けていないと、食べに来ている人もおいしく食べられないですよね。デザインもそれと同じで、デザイナーがデザインしたものが綺麗なパッケージに入って、雰囲気のあったお店においていないと喜んでもらえないんです。 誰のために何をしているのか、それをいつも意識して、おしつけがましくなく小さいhappyを提供していきたいと思っています。
まず、この商品を手掛ける前から、シニアマーケットと呼ばれる市場に対してある意識がありました。
15年前、60歳だった人が今75歳、今60歳の人は15年前45歳です。そう考えると、どちらもシニア層と呼ばれていますが生活スタイルは全然違うと思いました。なので、シニア太郎や、シニア花子のような一般化したモデルはいないんです。 また、別の機会に、古くから鋳物の町として発展してきた富山県高岡市の優れた職人技術を知りました。でも、鋳物は今の生活スタイルには溶け込んでいませんでした。 地元に技術があっても、原材料は高くなっていて、開発も難しい状態。国外に頼らずに国内で補完した生産ができるが、安価で大量生産は無理という状況でした。 そこで、どんな人に対してならこの技術を使った製品を受け入れてもらえるか、と考えると、多少お金がかかっても、いいなと思ったものには投資できる人。 そこで先ほどのシニアマーケットにつながり、ライフスタイルにこだわりを持ったシニア層という答えが出ました。 では実際に何を作ろうと考えた時、前々から『ルーペがあるといいんだよね。でも、ルーペってしょっちゅうなくなるんだよね。』という声を聞いていました。 そこで、机の上に置きっぱなしでも、オブジェになるようなルーペという発想に到達し、『bug’s-eye』が生まれました。